表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドレイクヴァロの娘~極道の男はマフィアの娘に囚われ堕ちていく~  作者: リラックス夢土


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/72

39 双頭の山猫の怒り




「エドワード様。至急の報告がございます」



 エドワードが自宅の私室にいるとキールが慌てた様子で部屋に入って来る。



「何だ? 何かあったのか?」


「はい。オリビア様についている部下からオリビア様が命を狙われたとの報告です」


「何だと!? 詳しく状況を話せ」



 エドワードは顔色を変えてキールに聞く。

 オリビアにもしものことがあれば留学中のオリビアの面倒を見ているエドワードの責任にもなる。


 ドレイクヴァロのナンバー2のエドワードであっても兄のアランは処罰を下すだろう。

 命まで取られることはないかもしれないが。



「はい。本日波戸場浩人とオリビア様は買い物に街に出かけたそうなのですがオリビア様にビルの屋上から鉄パイプを落とした人物がいたとのことです」


「オリビアにケガは?」


「波戸場浩人がオリビア様を庇ったためオリビア様はかすり傷程度だったとの報告です」



 とりあえずオリビアが軽傷で済んだことは幸いだ。



「それで誰がオリビアを狙ったんだ?」


「それは今調査中です」



 エドワードは真剣な顔になる。

 ドレイクヴァロの敵組織はこの日本にもいるが少し調べればオリビアがドレイクヴァロの総帥の娘だと分かるだろう。


 それを承知の上でオリビアを狙ってくるとは相当のバカか命知らずか。

 だが波戸場浩人と一緒にいたところを狙われたなら標的は波戸場浩人だったとも考えられる。



「標的は波戸場浩人だったのではないか?」


「いえ。部下の報告ではタイミング的にオリビア様を狙ったのは間違いないと」



 オリビアのことを狙ったのならドレイクヴァロの敵組織の可能性が高い。

 アメリカにいた頃はオリビアのガードも堅くてそうそう敵組織も手が出せないが日本では違う。


 エドワードや黒の鷹が見張りを付けているとはいえ基本的にオリビアには自由にさせているのでガードは当然甘くなる。

 そこを狙ってきたのかもしれない。しかし誰であろうとドレイクヴァロに喧嘩を売ってきたのは明白だ。

 すぐに対処しなければならない。



「分かった。至急犯人を特定せよ」


「はい。承知いたしました」



 キールが出て行くとエドワードは携帯電話でオリビアに電話をかける。

 エドワード自身でもオリビアの無事を確かめたい。

 何回かのコールの後にオリビアが出た。



「もしもし、オリビア? エドワードだけど」


「エドワード叔父様? どうかしたの?」



 予想外に元気なオリビアの声にエドワードはホッとする。



「どうかしたのじゃないよ。命を狙われたんだってね。ケガは大丈夫かい?」


「膝を擦りむいただけよ。情報が早いわね、エドワード叔父様」


「これでも『情報』を商売にしている仕事だからね。それよりボディーガードを付けなくて大丈夫かい?」


「いらないわ。それに私にはちゃんと叔父様たちの部下が付いてるんでしょ?」



 エドワードは苦笑を浮かべる。

 オリビアに気付かれないようにしていたつもりだったがオリビアは見抜いていたようだ。

 天然炸裂するオリビアだがやはりブラックウェル一族の者だけはある。



「まあね。オリビアはドレイクヴァロの総帥の娘ってことはどうやったって変わらないからね。用心のためだよ」


「それよりヒロが巻き込まれるのが心配だわ」


「おや、自分の心配より彼氏の心配かい?」


「当たり前じゃない。ヒロの代わりはこの世にいないのよ」


「そうだね。大事な人の代わりはいないよね。この件に関しては私が調査して片付けるから安心して」


「分かったわ」


「それじゃ、身辺に気をつけてね」


「ええ」



 オリビアとの電話を切るとエドワードはキールを呼ぶ。

 キールはすぐに部屋に来た。



「何でしょうか? エドワード様」


「悪いがメイソンを呼んでくれ」


「コンドルを使うのですか?」


「ああ、オリビアの危険を一刻も早く取り除かないといけないからね」


「承知しました」



 キールはまた部屋を出て行く。

 エドワードは紅茶を飲みながら考える。


 どこの組織の者かは知らないがドレイクヴァロの総帥の一族に手を出した罪は償ってもらおう。

 マフィアは舐められたら終わり。


 そのことは骨の髄まで知っているエドワードだ。

 必ず犯人とその組織を特定してドレイクヴァロの双頭の山猫がその牙と爪で引き裂いてやろう。


 双頭の山猫の顔になったエドワードは静かな怒りと共に口元に冷たい笑みを浮かべた。






「エドワード叔父様が対処してくれるならすぐに犯人は分かるわね」



 オリビアはエドワードとの電話を切るとそう呟いた。

 オリビア自身は命を狙われることには慣れている。だが浩人を巻き込むことは許せない。


 本来なら自分自身で敵を片付けたい気分だがオリビアはまだドレイクヴァロの組織で重要な役職にはついてないので組織を動かす権限はない。

 ここはエドワードに任せるのが一番いい。


 エドワードも普段は普通の人間にしか見えないが自分の父と共にドレイクヴァロを動かしている人物だ。

 その中に秘めた実力はドレイクヴァロのナンバー2に相応しいと父からも聞いている。


 頭を切り替えてオリビアは今日浩人に買ってもらったワンピースを袋から取り出した。



「ケガが治ったらヒロの選んでくれたワンピースを着ようっと」



 ワンピースが皺にならないようにハンガーにかける。



「さて夕飯を作るかな」



 オリビアはキッチンに向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ