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ドレイクヴァロの娘~極道の男はマフィアの娘に囚われ堕ちていく~  作者: リラックス夢土


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24 アニメオタクの叔父




 浩人は駐車場に車を駐車した。

 休日の秋葉原は人が多い。



「迷子にならないように手を繋ぐか」


「え?」



 オリビアは面食らった。

 今までオリビアは家族以外の男性と手を繋いで歩いたことはない。



(手を繋ぐだけでも嬉しい相手なんてヒロが初めてだわ。でもちょっと照れるわね)



 異性と本格的に付き合ったことがないオリビアは気恥ずかしい気持ちになった。

 そんなこととは知らず浩人は左手でオリビアの右手を掴んで歩き始める。



「ん? どうかしたか? 顔が赤いようだが」



 浩人に指摘されてオリビアは何でもないかのように装う。



「な、何でもないわ。今日は暑いせいよ」


「そうか」



 二人は秋葉原の街を歩いて行く。

 すると声が聞こえた。



「オリビア!」



 自分の名前を呼ばれてオリビアは振り返る。

 浩人も振り返るとそこには黒髪に緑の瞳の外国人が立っていた。



「エドワード叔父様!?」



(なんでここにエドワード叔父様がいるの!?)



 オリビアは驚いてエドワードを見つめた。



「エドワード叔父様ってもしかしてアニメ好きな?」


「そうよ、ヒロ。エドワード叔父様は父の弟でアニメ好きの叔父様よ」



 浩人に説明するオリビアは内心焦りまくりだ。

 まだ浩人には自分の正体を話していない。

 エドワードが下手なことを浩人に話したらオリビアの正体がバレてしまう。


 そんなオリビアの心を知ってか知らずかエドワードはニコニコしながら二人に近付く。



「そちらがオリビアの彼氏だね。オリビア、紹介してよ」



 エドワードに言われてオリビアは渋々浩人を紹介した。



「こちらはエドワード・ブラッド叔父様よ。エドワード叔父様、こちらは波戸場浩人さんよ」



 ファミリーネームを偽ったオリビアにエドワードは僅かに目を細めた。



(お願い、叔父様。話を合わせて!)



 オリビアはエドワードに目配せしながら祈る。



「初めまして。波戸場浩人さん。オリビアの叔父のエドワードと言います。オリビアがお世話になってます」



 エドワードはわざとファミリーネームを言わなかった。

 ここでブラックウェルと名乗ってしまえばオリビアの嘘がバレてしまうことをエドワードは瞬時に判断してとりあえずはオリビアの祈りを聞いてくれたようだ。

 それにエドワードも自分の正体をまだ浩人に話さない方が波戸場浩人という人物の素顔を見ることができる。



「こちらこそ初めまして、エドワードさん。波戸場浩人と申します」



 落ち着いた顔で浩人はエドワードに挨拶する。

 浩人はエドワードの正体に気付いた様子はない。



(オリビアの叔父か。こいつも金持ちそうだな)



 エドワードはラフな恰好をしていて一見その辺にいる人間とそう変わりないように見えるが着ている服はブランド物だ。

 派手に着飾っているような人物よりこういう普段着などの目立たないところに金を使っている者の方が本物の金持ちという人種だと浩人は経験上知っていた。



「浩人さんとお呼びしてもいいかな」


「あ、はい。かまいませんよ」



 エドワードが握手を求めてきたので浩人は握手をした。



(オリビアと同じ緑の瞳か)



 握手をしながら浩人はエドワードを観察する。

 吸い込まれるような緑の瞳はオリビアと同じくどこか怪し気に煌めいていた。



「浩人さん。オリビアは世間知らずなところがある。君に迷惑かけていないか心配だが」


「いえ、オリビアはいつも俺に気を使ってくれますし。迷惑とは思ってないですよ」



(時々、爆弾発言はするがな……)



 浩人は社交辞令を述べながらも隙を見せないように注意する。



「エドワード叔父様は私の日本での保護者みたいな方よ。あのマンションもエドワード叔父様が所有しているのよ」



(なるほど。やはり金持ちか)



「エドワードさんは何のお仕事してるんですか?」



 浩人は探りを入れてみた。

 このエドワードという人物の正体が分かればオリビアの正体も分かるかもしれない。



「私はゲーム会社などを経営しています」


「ゲーム会社?」


「ええ。ゲームが好きで若い頃に日本に来て自分で会社を作ってしまいました」


「何ていう会社ですか?」


「いやいや小さな会社ですので名前を言うのも恥ずかしいですから私のことはオリビアのただの叔父と思ってください」



 エドワードはにこやかに言うが会社名を口にしない。



(はぐらかされたか。この男、なかなか手強いな)



「そうですか。オリビアも日本で生活するのに叔父さんがいて心強いでしょう」



 浩人は無難に答える。

 この男の正体が何者かは分からないがオリビアの一族は金持ちだということだけは信じて良さそうだと浩人は判断した。



「ところでエドワード叔父様はなぜアキバにいらっしゃるの?」



 オリビアがジトっとした目でエドワードを見る。

 偶然、エドワードがここに現れるとは考えにくい。

 もしかしたら自分の父親に何か言われて浩人に会いに来た可能性もあると考えてオリビアは少し不機嫌になる。



(ヒロとのことは私の自由にしてもらいたいわ)



「私もアニメの最新刊を買いに来たんだよ。今日はアイドルナ〇トの最新刊の発売日だろう?」



 そこでオリビアはエドワードがアニメオタクだった事実を思い出す。



「エドワード叔父様もアイドルナ〇トのファンなの?」


「もちろん。あれは面白いからね」


「そう。私も最新刊を買いに来たの」



 まだエドワードが現れた真意を測りかねるオリビアだがアニメオタクのエドワードが秋葉原にいてもおかしくはない。



「そうだったのか。奇遇だね。良かったら三人でラーメンでも食べないかい?」


「ラーメン?」


「アキバには美味しいラーメンがあるんだ。浩人さんもぜひどうだい?」



 エドワードの誘いに浩人は頷いた。

 浩人としては少しでもオリビアの正体を探るべくこのエドワードのことをもう少し知っておきたいと思ったからだ。



「ええ。ぜひ食べたいです」


「では一緒に行こう」



 三人はラーメン屋を目指して歩き始めた。





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