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ドレイクヴァロの娘~極道の男はマフィアの娘に囚われ堕ちていく~  作者: リラックス夢土


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21 深まるオリビアの謎




「兄貴。その後、オリビアさんとの交際は順調ですか?」



 シマの見回りに一緒に出た京介が浩人に尋ねてくる。



「順調と言えば順調だがまだ気を抜いてるわけじゃない」


「オリビアさんが敵対組織の人間ってこと、まだ疑ってるんすか?」



 京介の言葉に浩人はピクリと反応した。



「当たり前だ。どうやって俺のことを白石組の若頭だと知ったのかが分かってない」


「それはそうでしたね。でも親父はオリビアさんのこと気に入ったみたいですけど」


「だから余計に注意しなくちゃならねえ。親父にもしものことがあったら大変だからな」


「確かにそうですが……俺はオリビアさんに何か魂胆があるようには見えないんすよねえ。オリビアさんてただの箱入り娘なんじゃないですか?」


「……いや、それは違うな」



 浩人はオリビアのことを思い出す。

 オリビアは古武術をやっているとのことだがそれにしても動きに隙がないのだ。

 とても箱入り娘だとは思えない。



(あれは何かしらの訓練を受けた者の動きだ)



 そう確信している浩人だがオリビアと話していると京介の言ったとおりに世間知らずのお嬢様っぽいのも本当の姿のような気がする。

 なぜこんなにギャップがあるのか。

 考えても答えが出ない。



(敵対組織の人間じゃなくともオリビアには何か秘密があるに違いない)



 浩人は情報屋にオリビアのことを調査させたがなぜかオリビアのことを調査した情報屋は皆、「金は返すから依頼の女の情報は渡せない」と言って浩人に金を返した後に姿を消している。

 まるで情報屋は関わり合いになりたくないといった感じだった。



「あいつは何者なんだ……」



 浩人は呟く。


 本当に世間知らずのお嬢様だったらここまで浩人も悩むことはない。

 だがオリビアには不審な点があるのが現実だ。


 しかしその不審な点を探ろうにもまるで何者かが邪魔しているかのようにオリビアの情報が掴めない。

 浩人は自分で大学にも問い合わせてみたが「学生の個人情報は渡せない」の一点張りだった。


 半ば大学側を浩人が脅すようにしても大学側の答えは変わらなかった。

 こんなことは浩人が極道になってから初めてだ。


 そしてそんな怪しい人物なのに浩人自身がオリビアを手放したくないと思っている。



(本人に聞いても無駄だろうな)



 「お前は何者だ?」と聞いてもオリビアが答えるとは思えない。

 オリビアは頭が悪い女ではない。

 一緒にいても時々爆弾発言はあるがそれは惚けているわけでもなく本気で一般の常識が分からないといった感じなのだ。



「とにかくオリビアに関しては京介も気を抜くな」


「はい。分かりました」



 京介は返事をする。



「話は変わりますが太田組の奴らが何回か俺らのシマに出入りしているのを組員が確認したそうです。兄貴」


「太田組が?」


「はい。別に何かしているわけではないみたいなんすがどうしますか?」


「そんなの決まってるだろ。俺たちのシマで見かけたら追い出せ」


「分かりました。他の組員に伝えておきやす」


「だが、変に揉め事は起こすなよ。太田組とことをかまえることになっても困るからな」


「そうっすね。九条会に怒られることは回避しないと」



 太田組と白石組は犬猿の仲だが九条会を構成する同じ団体だ。

 簡単に敵対するわけにもいかない。

 最近は白石組の方が九条会への印象が良く太田組はそれを逆恨みしている動きがある。



「用心に越したことはない。太田組が何か仕掛けてきた時のための準備だけはしとけ」


「はい。兄貴」



 浩人はシマの見回りを続ける。

 今日は特に問題は無さそうだ。



(そういえば明日はオリビアとアキバデートだったっけ)



 浩人もアキバには行ったことがあるがまさか自分の女とアキバでデートするとは思わなかった。

 オリビアがアニメ好きっていうのも意外だった。

 しかも白石と同じアニメが好きらしい。


 浩人はアニメに興味はないが白石の代わりに漫画本を買うことはある。

 さすがに白石が漫画本を買う場面を他の組の者に見せるわけにはいかないからだ。



「そろそろ戻るか。京介」


「分かりました」



 二人は組事務所に戻った。






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