やばいやばい
作者「……だめだ」
七瀬「はい?」
作者「もう顔見えてる」
悠「終わったな」
作者「終わってない!!まだ書いてない!!でも!!」
湊「でも?」
作者「初対面のシーンが再生されてる」
朱里「……どんな場面なんですか?」
作者「暗いライブ会場。人混みの中で、声だけで気づくの」
七瀬「もう第一話じゃないですか!!!」
作者「違うの!!想像しただけ!!脳内試写会!!」
鷲尾「それ世間では“構想”って言うんだよ」
作者「やめて!!名前を与えないで!!現実になる!!」
悠「で、相手は?」
作者「普通の人。何者でもない人。だから成立するの」
湊「声を先に知ってる関係、ですか」
作者「そう……顔より先に、夜の声を知ってるの……」
(全員少し静かになる)
七瀬「……え、ちょっと良すぎません?」
作者「だから困ってるんだってば!!温度がもうあるの!!」
朱里「ビジュアルも見えてるんですか?」
作者「見えてる。髪の濡れ方まで見えてる。マイク持ってない時の手の癖も」
悠「完全にいるじゃねえか」
作者「いるの!!存在してるの!!想像じゃないの!!」
湊「作者さんの中で“生まれた”状態ですね」
作者「それ!!それなんだよ!!だから放置すると喋り始めるの!!」
鷲尾「もう喋ってんだろ」
作者「……うん」
七瀬「アウトーーー!!」
作者「しかも最悪なことにね」
悠「まだあるのか」
作者「その初対面、“境界線”なんだよ」
(全員停止)
湊「……ああ」
朱里「シリーズの…」
作者「触れちゃいけない距離なのに、もう越えてる感じがするの」
七瀬「作者、それ運命って言います」
作者「言うな!!重くなる!!」
悠「で?」
作者「……書きたい」
全員「知ってる」
作者「でも今じゃない!!今はその先!!」
湊「じゃあ答えは簡単ですね」
作者「なに」
湊「逃がさないように、名前を付けて保存する」
朱里「大切にしまっておく、ですね」
鷲尾「衝動は冷めねえよ。熟成するだけだ」
七瀬「わあ、なんかそれっぽいこと言った!」
悠「どうせ戻ってくるんだろ」
作者「……絶対戻ってくる」
悠「じゃあ今は置いとけ」
作者「……うん」
(少し間)
作者「でもさ」
七瀬「まだあるの!?」
作者「目、合う瞬間まで見えちゃってるんだよね」
全員「もう第一話だろそれ!!!」




