04-08.決着
辺りは気が狂いそうな程の闇に包まれた。
なんだこれは!?
こんなの知らない!!
ゲームではこんなの無かったのに!!!
先程までの闇の霧とはまるで違う。隣にいるはずのセーナの姿さえ見えはしない。
私がパニックに陥ろうとしていると、突然手を掴まれた。
「リリィ!! 落ち着きなさい! 大丈夫! さっきまでと変わらない! 闇の深さが違うだけ!」
セーナの手の感触と声で、一気に心が落ち着いていく。
どういうわけか、敵の攻撃がこない。
この闇を維持するのに力を使っているのだろうか。
私達が動けない内に回復するつもりかもしれない。
「セーナ! まだあいつの位置はわかる!?」
「ええ!」
私の意図を察したセーナが、私の掲げた杖に手を添える。
この暗闇でも流石だぜ! 相棒! 頼りになる!!
私たちが魔力を込めると杖から光が溢れ出した。
最初は闇に飲まれ消えていくが、次第に光が強くなり、やがて辺りを照らし出していく。
(良かった皆生きてる!)
そこから更に魔力を込めていく。
この一撃に私たちの全てを籠めよう
これが正真正銘最後の攻撃だ! 出し惜しみは無しだ!
全ての魔力を出し切った瞬間、私たちの手に「光の剣」が現れた。
(これが!! 魔法少女シリーズの真の奥の手だぁ!!!)
生み出した光剣をセーナの導くまま、二人で振り下ろす。
光剣は魔王の本体とぶつかり、光が爆発した。
今度は辺りが真っ白な光に包まれた。
魔王の本体を両断し、役目を終えた光剣は消えさった。
「……勝った?」
セーナを見上げると、満面の笑みで頷いてくれた。
「やった♪ やったわ! セーナ!!」
思わずセーナに抱きついた。
しばらく抱き合っていたが、レオンたちの視線に気付いて離れた。
なんかごめん……。
気恥ずかしさと、男たちの前でセーナを独占する優越感。そして若干の申し訳無さを感じる。
ともかく! これで魔王は倒せたはずだ!
最後の暗闇は知らないやつだったけれど。
真の最終形態とか言って、また出てこないよね?
改めて周囲を確認し、ようやく安堵の気持ちが広がった。
勝てたんだ……。
転生してから十四年近く頭を悩ませていた問題が。
ようやく終わったんだ……。
これで思い残すことはないはずだ……。
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それから私たちは、魔王のダンジョンを改めて探索した。
魔王が確実に滅ぼせた事の確認と、復活を阻止する方法が有るか調べるためだ。
セーナの探知も使って、魔王の存在が消え去ったことは確定した。しかし、復活阻止の方は何も見つからなかった。
まあ、きっと次の勇者がなんとかしてくれる事だろう。
もしかしたらその時も私のような存在が現れるのかもしれない。
……本当に終わったんだ。……本当に。
探索を続けるセーナの後ろ姿から目が離せない。
「リリィ?」
「うん?」
「どうしたの? 辛い?」
「ううん。身体は大丈夫。魔力も十分回復したわ。そうじゃなくて。なんだかまだ信じられなくて」
「ずっと頑張ってきたものね」
「……うん」
これで私の役目は終わった。後はエンディングの時間だ。
きっと皆が待っているはずだ。勇者と王子の帰りを。英雄たちの帰りを。
一通りの探索を終えると、私達は魔王のダンジョンを脱出し、王都に向かって歩き出した。




