04-07.第二形態
第二形態となった魔王は更に苛烈な攻撃を放ってきた。
しかも空中を飛び回り、闇魔法を連射してくる。
私も対抗して空を飛び、魔王の放った攻撃の横から闇魔法をぶつけ続けた。
互いの攻撃は反発しあい、あらぬ方向へと飛んでいく。
「ええい! 鬱陶しい奴め!」
私を標的に定めた魔王と一対一の空中戦が始まった。
こうなってしまうとレオンたちでは戦えない。
セーナも、前衛が守れない空中戦には参加できない。
第二形態が一番厄介だったのかもしれない。
最終形態では一応地上に戻るはずだが、そこまで私一人で耐えられるだろうか。
闇魔法で弾き、風魔法で攻撃する私。
闇魔法で吸収し、そのまま攻撃に放ってくる魔王。
地上から光線を放ち援護するセーナ。
セーナに近づかせないよう立ち回るレオンたち。
互いに一進一退の状況が続く。
それでも少しずつ魔王にダメージが通り始めた。
私を追い回しながら、セーナにも攻撃を放つ魔王。
セーナを真先に始末したいはずだが、私たちがそれを許さない。
再び魔王が最初の位置に降り立つと、魔王の体が急激に膨れ上がった。
(最終形態早えよ! この魔王堪え性無いなぁ!?)
魔王の体から破裂したように、一気に闇が溢れ出す。
魔王の最終形態は闇と同化する。魔王の間全体を覆う様に、闇の霧が広がっていく。
この形態になると、闇の何処かに潜む本体にしか攻撃が通らない。対して、魔王は全方位から攻撃してくる。
もちろん対策は用意してある。魔力を探知で追えるセーナには本体の位置が特定できるのだ!
「だめ! 霧の魔力が濃すぎて特定しきれない!」
え~まじすかぁ……。
ゲームみたいにアイコン出てない? あるわけないね。
現実逃避している場合ではない。
私は周囲一体を吹き飛ばすように暴風を放った。
僅かに私達の周囲が開けたが、次第に風は勢いを無くし闇に取り込まれていく。
(吸収の特性も据え置き!?)
これでは本体が見えてもセーナの光魔法も届かない。これもゲームに無かった特性だ。まさか魔法が封じられるとは……。いや。まだ完全に封じられたわけじゃない。きっと打つ手はある筈だ。
全方位からの攻撃に次第に追い詰められていく。
「セーナ! 大体の位置はわかる!?」
「ええ! それくらいなら!」
セーナの指示した場所に闇魔法を放った。
(吸収の特性があるなら反発だってするんじゃない!?)
狙い通り、私の放った闇魔法は周囲の闇を弾き飛ばした。
(あった!)
露出した本体に、すかさずセーナが光線を叩き込む。
怯んだ本体は直ぐに霧の中に紛れ込み、姿を消した。
(ラスボスのくせに戦い方がセコすぎる!)
さらに苛烈になる魔王の攻撃。
同じ手は喰らわないと、私が闇魔法を放っても避けられてしまい、あれから本体を見つける事ができないでいる。
「皆!」
私の意図を察したレオンたちに囲まれ、中央に立つ私とセーナが手のひらを掲げた。
騎士団長戦の時より遥かに規模の大きな合体魔法を生み出していく。
私たちの動きに焦った魔王が攻撃の勢いを強めていくが、レオンたちが必死に守り抜いてくれた。
セーナの指示で本体の大まかな方向に向かって魔法を放った。
今度は逃げ切れず、直撃する。
合体魔法の威力により、闇の霧が全て吹き飛んだ。
震えながら空中に浮かぶ本体が露出する。
(効いてる!)
しかもコアは怯んで動けないらしい。
次々に攻撃が命中していく。
このまま倒せるか!?
「「「「「「!?」」」」」」
本体が爆発し、今度は完全な闇に取り込まれた。




