表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/44

3-6.ラスボス戦

「今回の勇者はずいぶんと準備が良いな」



魔王の第一形態は人間の姿をしている。

吸血鬼のようなマントを纏った目つきの鋭い男だ。



「我が蘇ってからさほど時をおかず攻めてきおった。」

「しかもその様な少人数でここまで来るとは十分な力も持っているようだ。」



私達は魔王の言葉には耳を傾けず、

いつも通りの陣形を組んで油断なく構える。



たとえ人の姿をしていようとも、言葉を話そうとも、

魔王は魔物の王だ。

存在するだけで魔物を生み出し、人類の害となる。




魔王からしても今更人間と仲良くしようとは思わないだろう。

他のダンジョンのボスと同じく、魔王も倒されたところで何度でも復活する。


ただ、その脅威度が他のダンジョンボスと段違いなだけだ。

そのかわりか、復活のスパンは長いが。


この国の歴史は魔王と人類の戦いの歴史でもある。

魔王が蘇ると必ず勇者が現れ魔王を倒す。



魔王はその知能の高さからか、蘇っても記憶を継承し、

人間に対して強烈な憎しみを抱いている。


穏やかに話しているように見えて、今もとんでもない威圧感だ。





「久しぶりなのだ、少しくらい話に付き合ったらどうだ。

それともまさかここまで来て怖気付いているのか?」


「どの口で。それだけ殺意を放っておきながらまさか仲直りでもしたいの?」


セーナちゃ~ん!?もう少しだけ大人しくしていようね~

じれてきたのか、魔王の挑発に乗ってセーナが切り返す。



笑止しょうし


魔王が放った闇魔法をきっかけに戦闘が始まる。



前に出て攻撃を受け流すレオン達。

光線を放ち魔王を攻撃するセーナ。


想定通りに戦況は進んでいく。

(やっぱり強い!十分対策してるはずなのに切り崩せない!)



魔王からの攻撃はやり過ごせているが、

こちらからの攻撃もなかなか有効打にならない。


「ふむ。今回はずいぶんと我の戦い方を知っているようだ。

前回の勇者はそれほどまでに優秀だったか?」



私達が魔王の戦い方を知っている事が不思議だという様に考え込む振りをする魔王。


「ならば、これはどうかな?」



私達の動きに合わせて魔王の戦い方も変わる。



思っていたよりずっと人間臭いなコイツ!

ゲームと違うのだからこの可能性は十分考えていたが、

こちらが動きを変えてもことごとく対応してくる。



次第に、レオン達を抜けてセーナにも攻撃が届くようになってくる。

セーナの魔力を防御に回させるわけにはいかないので、

私はセーナの前に出て魔王の攻撃を弾いていく。




魔王が一際大きな闇の塊を放ってきた。

レオン達では対処できないと判断し、私が前に出て竜巻を放つ。

しかし、風の魔法はあっさりと取り込まれてしまう。


私も闇魔法で対抗すると、ぶつかった闇同士で強烈に反発し、

互いの攻撃が自身に返る。


私の闇魔法を慌ててセーナが消し去る。



闇魔法どうしってそんな挙動になるの!?




「まさか闇の使い手がいるとはな。

しかもかなりの威力だ。お主本当に人間か?」



うっさいやい!

まさか魔王に人間否定されるとは思わなかった。




魔王もこのままでは分が悪いと判断したのか距離を取る。


お互いに有効打が無いまま戦いは続く。




「ふむ。少々見くびっていたようだ。

ならば、力を示すとしよう。」


魔王の体が急激に膨らんでいく。

頭からは角が、背中からは翼が生え、尾まで生えてくる。



第二形態!?

本来ならある程度のダメージを与えてから変身するはずだが、

まだそこまで削れている筈はない。


まさか自由に変身できるとは!

これ、体力MAXのまま最終形態になったりしないよね!?

そんなの勝てる気がしないよ!



本当なら、第一形態の間に倒してしまいたかったが、そう上手くは行かないか!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ