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【完結済】悪役令嬢に転生したのでレベルを上げずに生き延びます。  作者: こみやし
04.天使と勇者の魔王討伐

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04-05.決戦準備


 基本的に、魔王への攻撃手段はセーナが頼りだ。



 私も魔法少女装備が揃ったことで、魔王に対する切り札はあるのだが、これは本当に最後の手段だ。


 一撃で倒せる可能性は十分あるが、連発できるようなものではないし、確実に当てるには条件も厳しい。


 そもそもこれを使えば私は戦闘不能に陥ってしまう。その性質上、事前の練習を十分に行えたわけでもない。基本的には頼らない方針でいくべきだ。これもゲームとは違うのだ。現実に命中率が百パーセントだなんてあり得ないのだから。




----------------------




 セーナの火力を上げるために、私の「魔力増幅の指輪」をセーナに渡す事にした。ただそれだけでは私の魔力が足りなくなりかねないので、セーナから「魔力回復の指輪」を返してもらうことにした。


 今まで断固として返してくれなかったのに、この提案をしたら上機嫌で指輪を返還してくれた。


 何を企んでいるんだろう?


 魔力増幅の指輪がそんなに欲しかったのかな?


 セーナは脳筋なところがあるから、一発の火力を上げられるこれが羨ましかったのかもしれない。



「ふふふ~♪」


 ついには鼻歌まで歌いだして有頂天だ。


 ……指輪交換? おいこら。



 その後は慣れ親しんだ装備を変えたこともあり、より一層力を入れて訓練に励み続けた。




----------------------




 そして、遂にセーナの誕生日であり、魔王復活の日でもある運命の日が訪れた。


 とんだ誕生日だ。まあ、プレゼントは先に仕込んでおいたし、帰ってきたセーナがどんな顔をするか気になるけど。きっと喜んでくれるだろう。


 そのためにも必ず魔王を討ち取ろう。



 計画はシンプルだ。


 私とセーナ、レオン王子たち攻略組で、魔王の復活したダンジョンに挑むだけだ。


 ゲームの様に王国軍が無駄死にすることは無かった。


 まあ、勝てないと分かってるのに派遣したりしないよね。



 騎士団は王都に残り防衛する。


 魔王復活により各地の魔物も活性化するので、これはこれで重要な役目だ。


 あの騎士団長たちなら問題ないだろう。



 魔王のダンジョンは、これまで挑んだどのダンジョンよりも厳しいものだった。幸い広さはそうでもないので、それでも十分な余力を残すことはできるだろう。


 王子たちも今まで長い時間をかけて、レベル上げと訓練を繰り返して来たこともあり、魔王ダンジョンの魔物達とも十分に渡り合えている。


 基本的には王子たち近接組を先頭に、後衛に砲撃役のセーナ、遊撃役の私と続く。



 復活したばかりなのに、早くも魔王は魔物を生み出しているらしい。ここに出てくる魔物には魔王の特徴が色濃く現れている。


 そういえばさ。ゲームだとよく最終決戦の前にいくら宿屋で時間を使っても、一向にラスボスは動き出さないけどさ。この世界でそんな事をすれば瞬く間に強力な魔物が溢れかえるよね。現実ってシビアなものだよね。



 セーナの光魔法は魔王ダンジョンの魔物には効果抜群だった。騎士団がいくら強いとはいえ、光属性が使えない以上、こんなに効率良く戦えなかったはずだ。いつかは力尽き、国は滅びていたことだろう。


 やはり魔王に対抗するには勇者の力が必要不可欠だ。


 セーナがここまで強くなってくれたのは本当に心強い。



 本来のゲームの流れでは、とても間に合わなかったことだろう。


 私の転生が無ければ、幼少期にセーナと出会えなければ、婚約破棄イベントが本来のタイミングで発生していれば。



(魔王は運が悪いな)


 いくつもの幸運の上に今があるのだと実感し、きっと魔王との戦いも大丈夫と活を入れた。


 私の決心を感じ取ったのか、隣を歩くセーナが手を握って笑いかけてくれた。


 胸いっぱいに温かい気持ちが溢れ出す。


 セーナの手を握り返しながらきっと大丈夫と笑いかける。



 そして遂に、魔王の間へと到達した。

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