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泣いて、泣いて、泣き続けた。
部屋から出ず、食事も摂らないフィリアを、普段の母であれば叱っただろう。
きっと、何もかも知っていたのだ。
その上であの日々があり、全てのことが進み、そして今この状態を許されている。
フィリアは恥じた。
全ては赦されていた。
少女時代の最後の思い出として、見逃してもらっていただけだった。
それでも、確かにあれは恋だったはずだ。
子どもの思い込みなんかじゃない。戯れなんかでもない。
必死で、一途な、疑いようもない恋だった。
次の礼拝の日。
目も腫らさず、いつも通りに笑ったフィリアが「おはよう」と玄関に現れた。
家族は安堵した。
同時に、フィリアはもう少女ではいられなくなったことを悟った。
彼女の髪に巻かれていたのは、瞳と同じ青いリボンだった。
「ごきげんよう。アンセル、フィリア」
「ごきげんよう。シシアス様、リネット様」
いつも通りの一日だった。
礼拝を終え、昼食をとり、子どもたちは庭を散策した。
アンセルとリネットは池の周りを歩きに行き、シシアスとフィリアは生垣に隠れて抱擁した。
そして時間がくればそれぞれの邸へと戻った。
フィリアはこの日々を噛み締めるように過ごした。
終わりはもう、すぐそこまで迫っている。




