表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄金の瞳は深海の夢を見る  作者: マスターオブあんかけうどん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/17

16

夜会当日。

指示通りに早朝から登城したラティオとフィリアは、それぞれが係の女官にもみくちゃにされた。

何かを揉み込まれ、洗われ、整えられ。

次に二人が顔を合わせたのは、既に夕刻にさしかかった頃だった。


「兄上……またこのような……」

「似合うではないか! 我が義妹殿も、なんと美しいことか!」


弟とその婚約者に自らが選び仕立てさせた盛装を着せ、王は大層ご満悦である。

華美でないが一目で上等なものだと分かるそれに、ラティオもフィリアも肝を潰した。


「今宵は形式張った夜会ではない。たまたま城で開催されただけの、身内の会だ。そう固くならずともよい」

「城で開かれていることが問題なのです、兄上」

「気にすることはない。ただの城だ」


兄のペースに巻き込まれて、ラティオはすっかり拗ねてしまった。

そんな兄弟のじゃれあいを、フィリアは王妃陛下と並んで微笑ましく見守る。


異母兄弟とはいえ、王とラティオはよく似ている。

その薄い色の金髪も、黄金の瞳も、揃うとより輝くようだ。


ラティオはやっとのことで己を撫で回す兄の手を逃れ、フィリアの横に逃げ込んできた。

それと受けて、王妃陛下が王のもとに向かう。

いくら非公式な会であろうと、両陛下も相応のお支度があるのだ。


「なんだか首が寒い」

「髪も切られてしまいましたね。でも本当に素敵です、ラティオ様」

「……ひとつだけ、兄上に感謝しているんです」

「?」

「フィリアを、こんなにも美しくしてくれたこと」


ラティオがいたずらに笑い、フィリアは照れたように口に手を当てて笑う。

そして、そっと手を繋いで微笑みあった。


王と王妃は、その様子を見て目を細めた。


どうか最愛の異母弟とその伴侶が、永遠に微笑みあえるように。

王はそっと、女神に祈った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ