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(第61章 バトンは渡され、輝く未来)



春が来て、娘は幼稚園に通うようになった。息子は、危なっかしい足取りながらも、ヨチヨチ歩きができるようになった。

悠一は、最近、意識のある美子を抱けるようになった。それは、この二人の子供たちと一緒に寝ている間に、悠一が潜り込んできて、奥野が不在の一週間、ベッドを共にしていたら、自然とそうなったー―という感じだった。

子供たちのおかげで、癒やされていたのだろう。

親の立場になって、初めて無償の愛に気づき、自分を愛してくれていた両親の気持ちがわかったらしい。確かに、自分は二人が愛し合って生まれた存在なのだということを。

そして、禁断の愛だと知りつつ、愛さずにはいられなかった深い愛情に、幼い子供のようにワンワン泣いた悠一を、美子はただただ抱きしめていた。

そうしていないと、悠一がどこかに消えてしまいそうな気がしたからだ。

悠一は赤ちゃんのように美子の胸の中で甘え、次々に人格が豹変した。

それぞれが小さな絶叫のような、悲鳴のような声を発したかと思うと、一人、また一人と消えていった。

そして、ある朝、少年のような悠一が、生まれ変わったかのように、そこにいた。

奥野も悠一の変貌に驚き、ともに喜んでくれた。

こうして、新たな家庭のかたちが、そこから始まった。

普通の家族ではないが、悠一にとっても美子は、大切な仕事のパートナーになりつつある。

三方良しなら、ビジネスもプライベートもウィンウィンの関係なのだから、うまくいくはずだ。むしろ、もっと大きな成果が得られそうな予感すらしている。そして、幸せで満ち足りた時間は、あっという間に過ぎる。仕事をしながらの子育ては大変だったが、充実していた。

頭のいい常識人の奥野と、破天荒なまでの自由人の悠一に囲まれて、

子供たちは幼い頃から「人それぞれ。多様性の時代」を受け入れ、柔軟に、自由に、好きなことを見つけて、イキイキと育ってくれた。









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