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VS魔族 part6

「ははっ、それはどうかな?」


「……!?」

(だ、誰の声なんだ……? もう既に声を出せるような奴はこの部屋には存在しない筈。しかし、心なしか聞いたことあるような声だった。)


 狼狽えたのも束の間、すぐに落ち着きを取り戻し謎の声の主に詰問した。


「誰だ? 貴様。姿を見せろ。さもなくばこの部屋を城ごと破壊するぞ。」


「ははっ、随分と大きく出たもんじゃのう。まだ、儂の居場所を特定出来取らんのに、のう? 儂から貴様に言えることはたった一つだけじゃ。殺れるもんなら、殺ってみな? ははっ、はははっ。」


「こんの野郎ッ! たかがニンゲンの分際で生意気な。フン、いいよ。いいよ。殺ってやるさ。殺ってやるよ。その前に瀕死の騎士団長を嬲り殺してからになるがな。何処に居るか知らんが、そこで高みの見物と洒落込んでればいいさ。」


「ははっ、そう来たか。それは、些かまずいのう。彼には、まだまだ働いてもらわにゃならんからのう。」


 ──サッ!


 音とも言えない音を立てて、瀕死の騎士団長のそばに降り立つ黒い影。



「漸くお出ましか。手間掛けさせやがって。……は!?」


 シュリアスはあまりに予想外な人物の登場に口をパクパクさせている。それは無理も無いことだろう。何せ現れたのが、先ほどシュリアスの手によって死んだ筈の人物、アンティカノス王国、国王、アレク・プレートその人だったからだ。


「お前さっき俺が始末したのに何故生きてるんだ?」


「ははっ、愉快な奴じゃ。よく遺体は確認したかの? そもそも、もう既に剣は鞘に納めとる様じゃが血振りはしたのかの?」


「……。ククッ、ククククク、ハッハハハーハ。 やれやれ、してやられたな。確かにあんたの言う通り、遺体の確認も血振りもしてねぇや。」


 真顔になり、しばし思考を巡らせ突然笑いだしたシュリアスは、


 ──けど


 と続ける。


「やることは変わらねぇ。ただイレギュラーが生じて時間をくっちまった、それだけだ。と言うことで早く死ねや、ゴラァ!」


 話し方が豹変し、口元を醜く歪めたシュリアスは即座に抜刀しアレクに切りかかる。


「ははっ、そう素直に殺られる訳がなかろう? 一応この国のトップじゃしのう。」


 軽口を言いながらも素早く抜刀し対応するアレク。魔力を流しているのだろうか? 薄らと光を帯びた片刃の剣でシュリアスの剣を受け流すとすぐに切りかかる。

 剣の軌跡を即座に読み取り対応するシュリアス。傍からみると実力は拮抗している。

 様々な想いを背負った両者の闘いは熾烈を極め、どちらかが、どちらかを屠るまで奏で続けられる剣戟の狂想曲。


 どのような結末を迎えるのかはまだ誰も知らない……

 今回は意図的に描写を少なくしてあります(もともと足りては無いですが)。

 次回、主人公視点に戻るのでその時に詳しく描写します。多分、きっと、できれば……


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