門番さんと地図と虚偽のサプライズと、それから俺
『暴帝』って“暴君”じゃなくて“暴れん坊”って意味だったのか。置き手紙のことと言い、律儀なとことか日本人ぽいな。そんな訳ないか。
「次の人ー」
――ん? 俺の番か。
「何か身分を証明できるものはあるかい?」
そんなことをいいながら人懐っこい笑顔ををこちらに向けてきた。
一見一般人のように見えなくもない。が、手続きやら何やらで動き回っているとこを見ると、全く体の芯がぶれないし、何より引き締まったしなやかな筋肉が体を覆っている。この人実は結構強いんじゃなかろうか。
「 ……? ないです。田舎から出てきたばっかりなもので。」
「あっ! 君、黒目黒髪じゃーん。もしかしてロレンツォさんに会わなかった?」
「はい。道中で。」
「あの袋はまだあるかい?」
巾着袋のことだろうか? そういえば、パン1個食べてそれから開けてないや。
「それがどうかしましたか?」
「やはり、君だったんだね。その中に本店周辺の王都の地図が入ってるはずだから、探してみて。」
「……? はぁ、…………あ、ありました。」
なんつうものを入れてるんだ。どんだけ来て欲しかったんだろう……。
「それじゃあ通っていいよ。」
いいの!? それで!? あっさりしすぎてはいませんかねぇ? 門番仕事しなはれや。検査とかないの!? おーい?
……しないみたいですね。もう、何も言いません。
「……時に門番さん。」
「なんだい?」
「僕がここに来たのは内緒でお願いしますね。」
「それまた、どうしてだい?」
「何の報告もなしに僕が現れたら、きっとあのダンディな顔が驚愕の色に染まりますよね? 見たくないですか? 見たいですよね! ね!」
「……うっ。ち、近いから、一旦離れよう。そして、落ちつこう? オケ?」
「オーケー、オーケー。はい、落ち着きました。ダメですか?」
「(必死だな! おい。)うーん……それでもなー。報告しろって言われてるしなあ。」
「お礼も兼ねて良いもの手に入れたんですよね……。そんなサプライズを邪魔するって言うんですか? 見損ないましたよ!」
まるっきり嘘である。あの人にはもう関わりたく無いのでござる。しかも会って数分で見損なうも何も無いし。
「――!? き、君はそんなことまで考えてたのか。仕方ない、このことは内緒にしておこう。」
あっれー!? ダメで元々、当たって砕けろの精神で言ったのに……あっさり了承したよ。いいの? ほんとに? こっちが心配になってきた。
まぁ、いっか。細かい――細かくない、寧ろ職務怠慢だから重いよね――ことは気にしない。
さあ、 今度こそ突入ッ!
次はギルドです。ずっと構想してた、あとシーンが書ける!
しっかり(?)彼はやらかすのでお楽しみに。




