列での一幕
――はい、ということでやってきました。王都です。
――王都 ライラック――
『王都』とあるように王、以下王族が住まう王宮がある。町並みは小奇麗で住む人住む人が上品で気品に満ちている。道は石畳が敷かれており、家屋は整然と並び計画して建設されたことが推し量れる。
また、街中を巡回する薄い紫色の鎧を着た騎士団は王国内でも屈指の実力を持っている。構成員は貴族のいずれも厳しい訓練を耐え抜いた(はずの)者達である。その為、彼らは王国民のあこがれの的であり、彼らもこの仕事に就いていることを誇りに思っている。
これは全て白衣の師匠からの情報だ。そして、最後に一言……
『騎士団には気を付けろ』
これがどういう意味を持っているのかは正直わからないがとりあえず……
突入ッ!
とは言ったもののそんなにすぐに、さくっと、入れる訳でもなく、入口の門のところで列についてます。
はい。めっちゃ並んでます。
ゴミが人のようだ。――あ、間違えた。人がゴミのようだ。
? わかりにくい? 俺もそう思う。ならやるな? そういう訳にも、いかんのですよ。
まあ、具体的には、東京とかのポピュラーでナウい店よりも並んでる、と言っていおこう。――TVでしか見たことないだけどね!
それも、貴族専用のとこを除いてだけどね。
何はともあれ、そこで、冒険者らしき2人組から面白い話が聞けた。――話しているのを聞いただけだが。盗み聞きとも言う――
★★★
「おい、聞いたかよ? またあの『暴帝』がやらかしたらしいぜ。」
(ぼ、暴帝? 何!? それ!? そこはかとなく、ガチムチ感が……! 圧政でも敷いてんのかな?)
「今度は何をやらかしただんだ?」
「それがよ、辺境で魔方陣を見つけて迷わず飛び乗ったらしい。」
(なぜここで魔法陣か出てくる?)
「 で?ついた先は?」
「推定AAランクのダンジョン」
「AAランク?そんなのあったっけ?」
(疑問はそこじゃないよ! 冒険者B!!――勝手に命名)
「ああ。破滅級以上災禍級未満っていう、ややこしいダンジョンらしくて、じゃあいっそのこと魔物と冒険者のランクを細分化しようってことになったんだって。」
(へぇー、細分化した後のランク表示は?)
「細分化した後のランク表示は?」
(おお! おお? エスパーですか? あなたは。よもや聞こえているわけではあるまいな?)
「EからAまでは、変わらずそのままでAA、AAA、S、SS、SSSランクが新たに増えたって。」
「それにしても、流石『暴帝』だよな。よくわからんがAAランクのダンジョン攻略したんだろ? しかも、その様子だとソロで。」
「おお! ご明察。きっかり1ヶ月分の仕事終わらせて全ての書類が机に整然と並んでたらしいぜ。『暴帝』は時魔法が使えるんじゃないかってもっぱらの噂だ。」
「もしかして、《旅に出ます。探さないでください。》って書かれた置き手紙が有りませんでした?」
俺は我慢できずに会話に参加した。
「――? おう。よくわかったな。坊や。その通りだ。」
「それにしても物知りっていうか、耳が早いですね。情報屋かなんかですか? (ぼ、坊や? 俺、17歳なんだけど……。)」
「ああ。しがない情報屋だ。何か用があったら利用してくれ。」
そう言って冒険者カードを出してきた。
「 ……? それでなにするんですか?」
「もしかして知らねぇの? 互いの冒険者カードを任意の上で翳すと登録出来て、ある程度の居場所が分かるように出来てるんだ。」
(なんとハイテクな)
「それはなかなか便利ですね。でも、残念ながら登録はまだでして。なにぶん田舎から出てきたばっかりで(嘘じゃない)。」
「そうなのか。また機会があったらそんときにでも。」
「はい。ありがとうございました。」
まぁ、魔力マーカーつけとくんだけどね。
そして、空気な冒険者B。……君のことは忘れない。
冒険者B 「勝手に殺すなァー! 俺はまだ生きている……!」




