王都→森?→王都
お待たせしました
ところ変わって、今クラシスという辺鄙な村から王都に向かって爆走中です。え?王都に送ってもらったんじゃないのか?って?いや、途中まではそうだったんだよ。途中までは……ね。
──遡ること数時間──
俺は白衣を着たイケメンによって改造された(勿論、俺も一緒になって手を加えた)馬車に乗り王都へと向かっていた。
★★★
「さて、もうすぐで王都に到着するよ。準備してくれ。」
タイヤに振動吸収を付与していたため移動でグロッキーになったり、長時間座席に座ったことによりお尻が痛くなることもなかった。なので、特に苦もなく準備を終え、馬車を降りる。
ホントは振動吸収とかじゃなくて、サスペンションとかつけたかったんだよ。よくある異世界物のテンプレ通りにね。でも、サスペンションと言う名前は知っていても、どんな形でどんな役割をしてるかなんて知るわけないじゃん。なんでそんな知識あるんだろーね。こんなことなら調べておけばよかった。
「雷電の捕縛」
彼が俺をいきなり動きを阻害した。
「おい! どういうつもりだ……!」
まだ、師匠とも言うべき彼の魔法には抵抗出来ない。そりゃそうだ。彼から魔法のイロハを習ったからな。
「ハハッ、もう予想はついてるんじゃないんの? 智成くん。」
も、もしかして…………も〜しかしてだけど〜♪
……そのフレーズは今はいらねぇ。なんとか連鎖的に浮かび上がったリズムを打ち消す。いやー、我ながら無駄な労力使ってんなぁ〜。
「誰も王都に直接送るとは言ってないよ。ということでバイバイ♪(パチンッ)」
指を鳴らすと同時に俺の足元に見慣れた魔法陣が光り輝く。
「諮ったな、コンチクショー! こんなに上手い話はないと思ってたんだ!! あんたの性格から考えてなァッ!」
「ハハッ、まぁそういうこった。よくわかってるじゃん♪ ちなみにワープとかの転移系の空間魔法は、1週間使えなくしといたから。で、智成くんなら1週間走れば王都につくでしょ。君のことだし、既に魔力マーカー弾は打ってあるのだろう?」
そんな事を最後に聞いて独特の浮遊感に襲われ景色が変わった。
気がつくと鬱蒼とした森の中にいた。
「ギャオォォォーーー!」「グケェェーー!」
「ガァァァァァ!」「ひゃっっほーいッ!」
「…………いやいや、待て待て、最後の声おかしくない!? つーかここどこなんだよォーーー!」
俺の悲痛な叫びは誰にも届くことは無かった。
★★★
はい、回想終了。あれからどうしたって?
あいつが言ってた通り、魔力マーカー弾の方向にへ一直線に向かいましたとも。
念のために打っといて良かった。あいつが、何しでかすかわかったもんじゃない、とうことは修行で嫌というほど思い知ったからな。今に始まったことじゃない。もう慣れたことだ。
走ってると、当然来るわけよ。魔物がわんさか。なんか、早く王都に着けって本能に近いものが急かすから、襲ってくる奴らをワンパンで倒し空間魔法の〈アイテムボックス〉(これは使えた)に入れまくった。入ってる内訳としては──
雷を纏った体長5mほどの東洋龍チックなやつ×5
二足歩行で火魔法を使おうとしてた2mほどのトカゲ×10(群れで襲ってきた)
毒々しい紫色をして1.5mほどの角を額にはやした馬×2 ……etc
俗に言う、体長3mほどのオーガが途中で通ったクラシスを10匹ほどの群れで襲ってたのでこいつもサクッと倒して収納。
ああ、村を通過して少ししたらオークの群れが攻めてきてたのでこいつも首チョンパして回収。結構な数だったので数えてはない。体長2mほどのでかいヤツは1体いたな。
紆余曲折(全部ワンパン、苦労はしてない)あってようやく見えてきたよ。王都。長かった……
これは蛇足だが、明らかに絶叫系アトラクションに乗って楽しんでた風の叫び声を上げていたやつには、出会わなかった。積極的には会いたいと思わないが、ちょっぴり気になっていたのはここだけの話。




