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修行編 最終回

……

…………

………………

……………………




「また知らない天井だ。ここは誰?私はどこ?」


 ……やめよう。なんか虚しくなってきた……


 ――ウィーーン


 SFっぽい音だな。およそ、ファンタジーとは思えないけど。つか何の音? 扉?



「やぁ、待ちかねたよ、智成くん。君ときたらいつだって僕を待たせてくれるんだからねぇ。」


  そんなことを言いながらくたびれた白衣を身にまとい、30代と思われる男性が俺が寝かされていた部屋へと入ってきた。


 ボサボサで、くすんだ金髪だが、間違いなくイケメンに分類される顔立ちをしている。あまり身なりを気にしないのか若干、不潔な感じがしているのに、それさえも様になっていて憎たらしいことこの上ない。



「……? 何の話ですか??」


「今の君にはまっったく関係のない話さ。気にしないでくれ。それはそうと、よくヒュドラに勝てたね。あればっかりはなかなか制御できなくてね。もう少し時間があれば手助け出来たんだけど。尤も人は勝手に1人で助かるだけだが。」


 どっかで聞いたことのあるセリフだが、あえてスルー

「はあ……、そもそもあなたは誰ですか?」


「おっと、これは失敬。だがしかし教えるわけにはいかないんだよ、今は、まだ、ね」


「さいですか。ところでヒュドラを制御? とか、なんとか言ってましたけど、どういうことですか?」


「ああ、それね」


  曰く、このダンジョンは古代文明の遺産。クリアすることで成人として認められる


  あの“暗闇”は自動で動く。ダンジョンに挑む権利を有するものを無理やりこのダンジョンに誘う存在。“何”かはわかっていない。


  最近、動きが活発になり行方不明者が増加している。必然(・・)か、はたまた偶然(・・)か勇者召喚の転移陣の準備が始まった頃から活発になったらしい。


  彼は世俗を離れ研究するために放浪旅行の途中で偶然(・・)見つけた時から使っている。


  魔物のほとんどは管理下にある。いくつかの魔物は研究の過程で偶然(・・)作られた。


 ヒュドラはなんとなく連れてきただけ(おい)


  詳しくは言えないが生理的現象をなくすために幽体離脱の要領で精神体だけでさっきまで研究していた。肉体は冷凍保存。(別にこの情報はいらない。)


  上記の理由で手助けするのに時間が掛かった(手助けはされてない。事後処理がそれに値するのかな?)


  ツッコミどころが満載でどっから手を出せばいいのやら。これ以上聞いても、答えてくれなさそうな雰囲気を出してるので、この件に関しては、もう何も言わないことにする。


「しっかし智成くん、随分と粗い魔力制御だったね。よくあんなんでクリアできたものだよ。逆に尊敬するよ。」


 知るかよ、んなもん。こちとら召喚されてから1日も経ってなんじゃい。


「これじゃぁ、()でやってくには不安が残るね。どれ、これも何かの縁だ、鍛えてあげるよ」


  あくどい笑みを浮かべてらっしゃるあの方は、完全に俺をロックオンしたみたいだ。


「覚悟はいいかい?智成くん、もとい勇者様(・・・)


  何故それを? そもそも、俺もわかっちゃあいないんだが。


「いろいろ(下僕)ある(いる)のさ。」


 不穏な字が紛れてたような気がするが気のせいだろう。


「馬鹿なこと言ってないで始めるよ」






★★★



  あれから体感的にはみっちり1年間、世界の時間的には1日を消費して鍛えられた。ん? 意味が分からない? あの人、時間魔法が得意――そんなレベルではなかった――で俗に言う『精○と○の間』チックなあの部屋を作って鍛えられたんだよ。そりゃもう酷かった。いくら語彙が多かったとしてもあの修行は酷かったとしか言いようがない。


  いくつか面白いものもあったけどね。例えば


  【キョウの間】


  キョウと聞いて何を思い浮かべるだろうか? 今日? 恐? 凶? 狂? それとも強?


  正解はいま上げたもの全部です。『今日のキョウの間は最強にして、最恐にして、最凶にして最狂!』が至るところに書いてあった。どうやら『今日の(以下略)』がコンセプトのようだ。特に〈最狂〉の成分(?)が強いところは精神的ダメージが大きく、俺の中で黒歴史へと成り上がった。


  え? キニナル? そ、それはまたの機会にでも



  で、今白衣の師匠に王都まで送ってもらっているところ。ん? 修行内容? えー言わなきゃいけない? 勘弁しておくれ。もう思い出したくないんだ。せっかく封印したんだから。


  ほ、ほら『ひとつなぎの大○宝』を追い求める海賊達の冒険譚でも2年間の修行は秘匿されてるでしょ? そんな感じで。ね?

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