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修行編   其ノ肆part1

 階段を降りていくとそこには草原が広がっていた。そして、魔物が跳梁跋扈していた。


 おぉー、ていうか太陽? どうなってんの? 明らかにダンジョンぽかったのに。まぁいいや



 ♦ 細かいことは気にしない智成であった。


  ――ガウ、ガウガウ!!



  んーー? ケルベロス? 冥界の番犬が何故ここに?

  つうかいきなり難易度上がってませんかね? ゴブリンとスライムしか倒したことないんですけど。テヘッ



 ♦うわっ! きもっ! よもや、エクスクラメーションマークを使うことになるとは。だか、しかたがあるまい。それほどキモかったのだ。描写はしたくないので、ご想像にお任せします。


「どうせなら闇魔法で倒したいな、冥界だしね。我ながらえげつないとは思うが、こればっかりはどうしようもない。うぉ!?」


 ♦飛びかかってきたケルベロスをなんとか躱し魔力を練る智成。勿論闇魔法が付与されている。


「〈喰奪精神ソウルイーター〉!」


 ――って速っ! 驚いた。さっきの試練が関係してんのかな? 魔力を練ってから出すまでがスムーズだった。


  ――ズズズズッ

  もう彼にとってはおなじみになった魔法陣から大鎌が出てきた。と、同時にケルベロスへと向かっていき……

 

――ザンッ!


 ♦空気をも切り裂き、黒い光を伴いそれぞれの頭が胴体と別れを強制的に別れを告げさせられた。


「そういえば、さっきの試練で光と闇出てこなかったな。確立されてなかったのかな?」


 ああー! 鑑定するの忘れてた。



「ゴフゴリコフゴル!」


「こ、この声は……! やっぱり」


  ♦右から現れたのは1回層(?)でお世話(餌食)になった緑の生き物。その数なんと、50匹。


「もしかしてガロのあの村(?)の連中かな?」


 ♦覚えていたことと、思いついたことにびっくりだよ、このやろー


「失礼なことを言われたような。」

 ♦相変わらず勘のいいやつである。


「いろんなこと出来そうだな。さっきのでスライム消しが俺の血となり、肉となり、骨となっているぅーっ!!」


「ガルフリゴフゴフガリ(ここにお前がいるということは)ガラフリゴフゴフ(ウチの彼はもう……)ゴフゴ!! (死ね!!)」


ガロロン(ガロ)のことかーーーーーっ!!!!!」


  勢い余ってネタに走ってしまったが、たかだかゴブリンでこんなに盛り上がれるのか。つうか彼女(?)が彼の《ガロ》の結婚相手だったのか。


「安心しろ。同じとこに送ってやんよ!〈緑風の刃(ウィンドカッター)〉×50」


 ――スパパパパパパパッ!


 最初に使った時とは全く異なった音を立てながらゴブリン軍団を蹂躙する緑風の刃。50匹分の死体と血が辺り1面に広がった。


「これはまた……、なんともまぁ。自分の成長が末恐ろしいぜ。」


 ♦成長を実感し、黄昏たのも束の間、


「ヴォォー!!」


  今度はなんだ!? 次から次へと出てきやがって。息をつく暇もありゃしねぇー。は?


  ♦智成の目の前に走ってきたのは立派な角を持つ雄牛の頭を首に乗っけた全長3mほどの巨漢だった。手にはハルバードを握っている。



 「ミノタウロスか? 今度は忘れないうちに〈鑑定〉! あれ? 出来ない。もしかしてこの草原には完全鑑定不可でもあんのかな?」


 ♦いくら何でもこれはおかしいだろ。おっと、失礼。口調が乱れてしまったようだ。彼の言う通りである。完全鑑定不可(この情報は渡さない)がこの草原全体についている。


「しかもいつの間にか惨殺死体(ゴブリンの)とか消えてるし。魔石は残んないのかな? 無くなったものはしょうがない。さて、どうすっかなー。今度はどの属性使おうか。どうせ誰も見てないし厨二に走ろうかな。」


 ♦見てるだんだなー、それが。それも不特定多数。



「不穏なワードが聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。」


 ♦相変わらず勘が良いようで


「天より神の裁きを、今、汝に今降り注がれん〈電紫雷光メガボルト〉!」


  ♦やりおった。ほんとにやりおった。おっと描写をしなければ。

  黒く分厚い雲が空を覆い隠すと何条もの紫電がミノタウロスを襲った。後にはプスプスと音を立てながらゆっくりと倒れ始めたミノタウロスの姿が。


「ぉお! やっぱり詠唱すると威力が全然違うね。」


 ♦彼の耳が赤くなっている理由は言うまでもないだろう。恥ずかしかったに違いない。言ってんじゃん! って思った人、はーい。


  ――ドシンッ! ドシンッ! ドシンッ!…………


  音がする度に地面がふるえている。急に音がやんだので周りを見回してみるとそこには巨大な足が。首を傾けながら上を見上げると……


 「今度はサイクロプスかよ!! まだデカイの続くんかい!」


 ♦そこにあったのは、ひとつ目の巨人。体長は10mに届くか、といったところ。手にはこれまた巨大な混紡をもっている。


「〈雪氷風乱舞(ブリザードグラウス)〉!」


 しばしの静寂。


 ――ビュオオオォーーーー


  ♦という音が響いたかと思うと、氷嵐が発生した。さらに、そこにいくつもの雹が現れ氷嵐により凍った巨人の体を穿つ。


「うしっ! 終わった」


  1番大規模な魔法だったけどなんとかなったな。これに詠唱つけてたらどんな感じになったのかな? やってみたいけど使った後の、この光景を見て、詠唱した時のことを考えるとちょっと恐ろしいね。


 ♦ちょっとどころではない。いまの魔法でさえ、うららかな太陽の光が降り注ぐ、気持ちの良い草原が見るも無残な状態になっている。

  気温がいっきに下がり、今もなお、北風と見紛うほどの風が吹きすさび、雪がちらついている。

 地面に目を向けると青々と茂っていた草はどこへやら。雪で覆われ、銀世界へと化しており、ところどころ、雹の影響と思われる直径1mのクレーターが出来ている。


  ♦が、数秒後には元の草原に戻った。否、ひとつだけ違う点が。燦々と輝き、うららかな光をもたらしていた太陽が分厚い雲に隠れている。ピリピリと微かに緊張感を孕み不穏な空気が漂よっている。

  そんな空気を感じとったのか智成は押し黙っていた。


  「…………」



 「「「キシャャーーーーーッ!!!」」」


  ♦声とも言えない奇妙な音を響かせ現れたのは……


 「―――――ッ!! こいつは、ヒュドラ!?」



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