表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2




「いってきまーす!」


扉を開けると、どこかあたたかい匂いがする。

強い風が髪を揺らす。


変わらない、日常になった朝。


エントランスの先に見慣れた背中。


「おはよ」


歩調が自然と揃う。


「澪花ちゃん、おはよ」


いつも通りのやりとり。


「今日ね、懐かしい夢をみたの」


「懐かしい夢?」


「律が大人になったらお嫁さんになってねって言う夢」


一瞬だけ、髪を乱していた風が止む。


「大人になった?」


横を見ると、

律は前を向いたまま歩いている。


「まだ大学生になったばかりでしょ」


そう言って、少しだけ笑う。


「…まだか」


「身長だけは大人、お父さんの血?」


「どうだろう。澪花ちゃん、時間大丈夫?」


「えっ」


「28分だよ」


「やばい、先行くね!」


足取りを少し速め、改札へ向かう。


「気をつけてね」


「律もねー!」


階段を降りると

朝のざわめきが近くなる。


いつもの電車に乗り込み、ドアが閉まる。


揺れに合わせて

身体が少しだけ傾く。


窓の外が流れていく。

さっきまでの空気が、遠ざかっていく。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ