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まずはここから始めよう!  作者: 雲母あお
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14/26

14 これでいいんだ

また、数日経ったある日、教室に着くと、

「黒田、放課後話がある。」

と呼び止められ、白坂から教室に残るように言われた。


放課後、教室に誰もいなくなると、

「返事を聞きたい。」

と、言ってきた。


他の女子とあんなに楽しそうに二人でいるのに、まだ、私のこと言っているの!?

とても嫌な感情が全身を満たしていく。

白坂と会って、赤山さんという友達ができて、少し薄れてかけていたあの暗い渦が、また色濃く私を静かに沈めていく。


「なんで私に付きまとうの?なんでこんな態度とっているのに一緒にいてくれるの?他に仲がいい子がいるじゃない!分からない…分からないよ…。」


あんな笑顔私にはくれないのに。

自分の心が苦しすぎて行き場のない、答えを出したくない心を、白坂にぶつけてしまっていた。

それが分かっても止められず、

「分からない!全然わからない!」


「じゃあ、考えてみてよ。」

この状況で、こんな私をみて、やっぱりそんなふうに笑うんだね。

余裕そうな、駄々っ子をみるような目で。

その目を見ていたら、どうしようもない感情が込み上げてきた。


「…迷惑なの。本当に嫌!白坂のこと大嫌い!もう私に付き纏わないで!」


勢いで口から出た言葉はもう戻ってこない。

絞り出すように叫んで白坂を見ると、はっと我に返った。

何の感情も読み取れない、怖いくらい無表情の白坂の顔が目に映ったからだ。


「えっ…!?」

それからすっといつもの表情に戻って、


「悪い、黒田。もうしないようにする。」

それだけいうと、教室を出て行ってしまった。



「…ふぇ…。」

その場に座りこみ、静かに泣いた。

もう、本当に白坂は、私の前からいなくなったのだ。

自分でそうした。しばらく泣いて落ち着くと、深呼吸をした。


これでよかったんだ。私みたいなボッチの人間に、あの人気者は手に余る!


「うん!よし!」

自分に気合を入れると思い切り立ちあがる。

「いつもだったら、「黒田、涙腺緩すぎ~」とか言って笑ってそばにいてくれるんだろうな、白坂は。」

乾いた笑いが出た。


もう…いない…んだな。私がそうした。私がそうしたんだ。

苦しかったじゃない。だから、これでよかったんだ。

私は一人で大丈夫だから、私みたいなのにかまっていたら、白坂の人生台無しにしてしまうよ、きっと…。


そうだ、これでよかったんだ。これで…。


今、気のすむまで泣いて、そしたら忘れよう。そうしよう。私はできる。

自分の人生で最後まで一緒にいるのは自分だけ。

出会っても、人とはいつか分かれる。

それが“今”なだけ。それだけだ…。


気が済むまで泣いて、家に帰った。


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