#7
三郎「誰だ...?」
助手席の男「...?」
助手席の男「あんたあんま冗談言う性格じゃなかったよな?」
三郎「ああ、冗談じゃない。俺が記憶を失う前の友人か?」
助手席の男「...なるほど。確かに。そうなってもおかしくないか」
三郎「??」
助手席の男「では、自己紹介しよう。俺はジョン。で、こっちが相方のウィリアム。ウィリアムはドライバーで俺はタレッターだ。」
三郎「ドライバーは運転手のことだよな?タレッターはなんだ?」
ジョン「あーそうかそこからか...まぁ、助手席で車の足止めしたり、まあ銃担当だな。遠距離でしかどうにかならないことをどうにかするのが俺の役目。」
ジョンは続ける。
ジョン「俺は予備案だった。あんたがしくじった時のね。でも、記憶失ってるとはいえあんたはあんただったな。やっぱ、体は覚えてるもんなのかねぇ」
三郎「...」
俺は、いったい誰だったんだろう。
三郎「俺は、どんな人だった?」
ジョン「あんたは...そうだな、一言でいうとするなら...」
ジョン「伝説」
ウィリアムが口を開く。
ウィリアム「あんたの...”スマッシャー”の名を知らない人は裏社会じゃいないぐらいだ。」
ジョン「おう、ようやく口開きやがったな。さて、信じられない、ていう顔してるとこ悪いが、これも覚えていなさそうだから言っておくぜ。」
ジョン「なぜスマッシャーが伝説と謡われたか、それは...」
三郎は固唾をのむ。
ジョン「車に乗りながら、車を轢けるからだよ」
三郎「...は?」
ウィリアム「普通、車で人を轢き、助手席にいるこいつみたいなのがタイヤやったり、直接ドライバーを撃ったりするんだが。だが、あんたは違った。」
ジョン「そう、あんたは車を、車で轢けた。力ずくじゃなく技術と感覚でな。こんな芸当ができたのは今も昔もあんただけだった。」
ジョン「あんたが人も、車も、全部轢く様,,,外から見るとあんたの車がすべてを薙ぎ払う大漢の鉄拳のように見える。これが...」
ジョン&ウィリアム「「スマッシャーといわれる所以」」
それを聞いた瞬間、どこか遠くで、金属同士が衝突する音が聞こえた気がした。
耳の奥、いや、頭の中の奥底で意識が遠のくような、鋭いような、鈍いようなそんな音だった。




