↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
129/206

狂信者

何時もの如くてけとーに書いていたところ、長くなってしまいました。

すみません、明日こそ進めます。





 封印開始から6日目が終わり、7日目に入ってからモンスターの襲撃がピタリと止んだ。



「なんだ? 枯れたのか?」

「静かすぎるニャ……」

「んー、嫌な予感がするな」

「一旦、戻るぞ」


 ミケ達は、マルスの指示で本来の任務であるアリアの護衛に戻った。


「何かしら? 何かがいるみたい……」

「ケロちゃん、如何したの?」


 アリモドキがいなくなり、ぽっかりと空いている封印のない穴を、ジュリアはじっと見詰めている。


「何かが来るわ…… これはマズいかも」

「えっ? ヤバいやつなの?」


「分からないわ、でも嫌な予感がするの…… 私達も戻りましょう」

「そ、そうね…… 報告も必要よね」


 ジュリアの本能が危機を告げ、迫り来る脅威に身を震わせていた。



 ◇ ◆ ◇



「なんだ? そんなに慌てて如何した?」

「前線の子達に、退避を命じて」


 慌てて仁の下へとかけ込んだジュリアは、前線にいる者達への撤退を勧める。


「ん? うん、分かった。 それだけか?」

「ええ…… 信じるの?」


「信じるもなにも、お前たちを疑って如何する? 危険を感じるんだろ? なら、理由はそれで十分だ」


 ジュリアの疑問は、仁にとっては疑う必要もない事であった。


「はっ、何それ…… 貴方はそれでいいかも知れないけど、もっと人を疑った方が賢明よ」


「知っているよ…… 嫌という程にな。 だが、仲間を疑う余地がある程、俺の心は広くはなくてな、とうの昔にそんな事はどうでもよくなったんだ。 裏切るような奴は、どんな信用をも利用して裏切るんだよ。 だからこその信用なんだ。 分かったか?」


 ジュリアの言い分は分かるが、仁の人生において信用などは価値もなく、移ろいやすい人の心を理解し、信用するのは己の判断基準でしかないと覚っていた。


「…………、どんな人生を送ったらそうなるのよ」


「まあ、時間のあるときに話してやるよ。 それより、撤退命令を出すのが先だ」


 あきれ顔のジュリアやルナを余所に、仁は部下達に撤退を命じる。


「全軍に、撤退の命令をだせ!」

「「「はっ!」」」



 ◇ ◆ ◇



 仁の撤退命令により、大半の兵は25階層から撤収した。


 だが、ごく一部の者達はアリアが陣取るエリアへと馳せ参じている。


 ゴブリンキングにオークジェネラルは勿論、各種族を代表する者達が集まっていた。



「いいか、よく聞け! この先の戦いは、選ばれし者達だけの闘いである! 覚悟のある者だけが、アリア様の楯となれ! 命をかけて守り抜くのだ!」


「「「オオーー!!」」」


 集まった者達の威勢に圧され、ルナとジュリアは怯える。


「なにこれ? 怖い……」

「これは、やり過ぎだわ」


「ニャハハ、こんなの序の口ニャ」

「そうだな、主の為に死ねるなど名誉であり、幸せなのだよ」

「死ぬことで成せる事があれば、身を捧げる事こそ我らの役目だ」


 ルナとジュリアの隣にも、狂信者が現れた。


「狂っているわね」

「ミケ! 貴女はこっちにいらっしゃい。 こんなの駄目なんだから」


 ミケの腕を取り、ルナは涙目で引き寄せようとする。


「何を言っているニャ? あたし達は、何度も死んでいるニャよ」

「そうだな、何度逝ったか解らんぞ」

「俺は25回だ…… まだまだだな」


「まあ、俺も二度ほど死んだしな……」

「「はい?」」


 ミケ達の言葉で唖然とし、マルスの告白で頭の中を真っ白にしたルナはミケに宥められ、ジュリアは思考停止した。


 そこへ、部下達を鼓舞して廻る仁が現れる。


「なんだ? 何かあったのか?」

「うん、まあなんだ……」


「アイツらのやる気で、混乱しているニャよ」

「ああ、主の為に死ぬことに狂気を感じたのだろう」

「そうだな」


 仁は、呆けているルナとジュリアの事情を聞いた。


「ふぅ、まあそうだろうな。 うちの特殊性は他では通用しないからな。 お前たちも、転生に慣れるなよ。 その度に、レベリングに付き合う者達が大変なのを忘れるなよ」


「ごめんニャしゃい」

「「申し訳ない……」」


 度重なる失態で死を経験した部下達は、何度も召喚で蘇らせてもらい、その恩人の仁の言葉は重かった。


「えっと、どういう事なの?」

「忘れてたわ、この人が蘇生出来ること……」


「何を今更……」

「ニャハハハ、そういえばルナも一度死にかけて、蘇生されたんニャよね」


 仁との決闘で気絶させたのだが、思ったよりダメージが深く、脳内出血により死亡したのであった。


 その後、ルナは仁に蘇生されて、ミケ達の看病で命拾いを為たのである。


「あれは予想外だったな。 まさか死ぬとは思わんかったよな」


 決闘とはいえ、ルナを一度殺した仁にマルスは苦笑いを浮かべる。


「仕方ないだろ、本気で殴らないと止められないのだし、不可抗力だ。 第一、お前がいうなよな。 まったく……」


「チートって、そういう事なのね」

「そうなのよ、こいつチーターなのよ! ずるいわ、私達の努力を返して!」


 仁が持つ、魔方陣のリザレクションと、秘薬を使ったレイズデッドは如何にもチートであり、ルナやジュリアにとってはファンタジーでしかなかったのである。


 仁の加護を受けた配下達は、転生を受けて何度でも生まれ変わり、その都度仁の庇護を受けて、その身にアリアの愛を注がれているのである。


 これ程の加護を与えられた彼らに、最早他に行くことなど有り得ず、これ以上の至福を与えてくれる主など存在しえないのであった。




昨日はあれこれと用事をしつつ、疲れて寝てしまいました。

起きたら夜中でビビりました。

突然ですが、GW中も通常通り更新予定です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。