新たな守護者
お待たせしました。
新たな守護者の登場です。
封印再生作戦決行日の朝、仁は装備やアイテムのチェックをしていた。
作戦を成功させる為にも、装備品やアイテムの不都合はあってならないと、仁は部下たちにも指示をだしている。
「こっちは大丈夫だな、そっちはどうだ?」
「「「問題ない」」ニャ」
マルスとミケ、レドやリウは準備万端と胸をはる。
「私の装備はこれだけなの?」
「ん? 変身為ないのなら、チェインシャツとかあるが、毛皮には必要ないんじゃないか? ミケもただのシャツだしな」
ルナは、己の腹をさすって確かめる。
「そうよね…… 毛が絡むと痛そうね。 まあいいわ、でも可愛い服とかないの?」
「ふむ、そういうのはアリア様に頼め。 デザインとかあれば作るし、俺には女物のデザインは無理だからな」
ルナは両手をあわせ納得する。
「そうよね、そうするわ」
「防御面に不安があるなら、この指輪をやろう」
仁はアイテムボックスの中から、青い宝石の指輪を取り出し、ルナに渡した。
「これは?」
「それはプロテスリングという防御系の指輪だ。 常時3%アップの防御力を底上げし、魔力を指輪にこめれば『プロテクト』という魔法が発動して30%アップの防御力が得られる。 但し多用するなよ、使用中は魔力を消費するし、発動までに1秒程のタイムラグがあるからな」
ルナは、プロテスリングを指にはめて魔力をこめてみる。
「へぇ、なるほどね。 魔力の指輪もあるし、いいかもしんない」
プロテクトの魔法が、ルナの身を包み青白く輝いている。
「いいニャ、あたしも欲しいニャ」
「ミケには速度向上系の装備で十分だろ? それ以上魔力を使うとぶっ倒れるぞ?」
「「魔力が低い我らには無用だな」」
元々の身体能力が高いレドとリウには、攻撃系の装備とHPアップの指輪で十分だった。
◇ ◆ ◇
「では、行きますか」
「「「はい!」」」
仁とアリアにマルス、ルナと巫女たちは、25階層へと下りていく。
後発組は、25階への階段前に待機中である。
作戦を開始する為には、まず結界を解除為なければ為らないので、結界内を問題なく通れるメンバーが選ばれたのである。
◇ ◆ ◇
25階層へと入り、仁達は結界を解除する為に、封印の間に向かう。
「ん、用意はいいか?」
「えーっと、まずは結界を解くのよね」
ルナは、若干緊張気味で作戦の内容を確認する。
「ああ、封印の再生には結界はじゃまだからな。 まず結界を解かないと駄目だ」
「分かったわ。 よろしくね」
「ルナさん、大丈夫です。 私も居ますし、ルナさんは守護者の救出に専念して下さい」
アリアの助言にルナは肯き、落ち着きを取り戻した。
「よし、いくぞ」
「「「はい」」」
仁達は、ルナを先頭にして封印の間に入っていった。
◆ ◇ ◆
封印の間に入って、ルナは常駐組の巫女たちへと指示をだす。
「お疲れさま、貴女たちは良くやったわ。 後のことは、私達に任せなさい」
「「「はい」」」
常駐組の巫女たちは退去して、連れて来た巫女たちが代わりを務める。
そして、結界の維持作業はルナに任せて、仁とアリアはマルスを連れて、結界の核と為っている守護者へと近づく。
「では、結界の解除に掛かります。 解除中は無防備に為るので、サポートはお任せしますね」
「はい、おまかせ下さい」
「ん、護衛は任せろ」
「よろしく頼む。 では……」
アリアは肯き、マルスは胸に拳をあてて仁を見守る。
仁は、守護者を中心として床に描かれている、結界の魔方陣に手を当て解析を開始する。
結界を発生させるには、通常マナの供給源となるモノが必要であり、結界にを維持する期間に対して、それ相応の魔力のこもったモノが必要であった。
それが、守護者自身であり、結界を維持管理するのがルナであった。
この結界を解除するには、まず魔方陣の解析が必要であり、構築された経緯を理解しなければ、核となった守護者の救出は出来ないのである。
そして、解析中の仁は必然的に無防備になるので、アリアとマルスに警護を頼んだのであった。
結界の解除が成功しても、結界が無くなれば、不測の事態起きる可能性もあるのだから尚更である。
数分間の解析を終えた仁は、守護者の躰に近寄り手を当てた。
「これから解除に入る。 ルナは結界が消えたら、守護者を回収して撤退しろよ」
「分かったわ」
仁はアリアに視線を移して、目礼をしてから解除を開始する。
「聞こえるか? これから結界を解き、封印を再構築する。 今までご苦労だったな。 後のことは、俺達に任せろ」
仁は守護者に一言かけてから、瞑想にはいった。
── ── ──
深い瞑想にはいった仁は結界の中心、核となった守護者の中にいた。
「やっと逢えましたね。 私は、貴方が来るのをずっと待っていました。 私はジュリア、ここの守護者を任されたものです。 お見知りおきを、マイマスター」
仁が眼を開くと、純白の大きなケルベロスが座っていた。
「えっ? 喋れるのか…… えっと、ケロちゃんじゃないのか?」
「ルナのことなら忘れて、私にはジュリアという名前があるのよ。 前世では人間だったけど、神さまと出会い、貴方を手助けするようにと云われたの」
「あー、もしかして日本人なのか?」
仁はまさかと思い、ジュリアに訊ねる。
「そうよ。 私の前世は、ルナと同じく日本人よ」
「マジかぁ…… どんだけだよ」
神々の日本好きは、仁には理解不能であった。
またも転生者と出会う仁に、なにが待っているのか……
と、いってもまだ未定なんですけどね。




