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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
114/206

ルナvs仁 前編

長くなりそうだったので、前編後編としました。





「ごちそうさまでした。 はあ、美味しかった~♪」


 ルナは両手をあわせて、食べ終えた皿に感謝を念を込めた。


 食べに食べた後の皿は山のようにそびえ立ち、後片付けも大変なことに為るだろう。


 まあ、仁であれば『クリーン』で問題はなくなるので、片付けようとする村人を制止しているのだった。



「ところであんた達って、本当に神の使徒なの?」

「ん、あたしは違うニャ。 使徒様は主とマルスだけニャよ」


 ルナの質問にミケは、仁とマルスを指し示した。


「あら、人間? 人間も居るんだ」

「あのぉ、ルナさま? 封印は大丈夫なのですか?」


 村長の一言で、ルナの表情が一変して青くなった。


「ごめんなさい、焼き魚のニオイですっかり忘れてたわ。 申し訳ないけど、話の続きはまた今度にしましょう。 では~」


 というと、ルナは慌てて一目散に村から去っていった。


「はっや…… もう見えないニャ」



 ☆ ★ ☆



 ルナが去って、仁達はゆっくり休む事にした。


「なんか残念なやつだったな。 大丈夫なのか?」

「なんの話だ?」

「ルナは残念なのニャ?」


 封印をほったらかして、魚を食いに来るのだからお察しである。


「俺と同じように、異世界から来たみたいだからな」

「主と同じなら使徒様ニャの?」


「そこは分からん、鑑定してないしな。 守護者と絡んでいるから、可能性はあるかな」

「ふむ、そうかそれは楽しみだな」


 マルスは、仁と同じく強ければ手合わせしたいと思っているようだ。


「とりあえず、今日は休んでおかないとな」

「「「ハイ」」」


 25階層へ行くために、しっかりと休息をとって、明日に備えようと思う仁であった。



 ◇ ◆ ◇



 翌日の早朝、仁達は25階層へと向かう。


 最後の村から南へ3km程いくと、25階層へと続く階段が見えてくる。



「ここを下りれば封印の間へと続く空洞がある。 危険はないらしいが、念の為転移の魔方陣を設置して、万が一の事態に備える。 封印を護る結界だけには触るなよ。 触れば、モンスターであるお前たちは消滅為かねないから気をつけろ。 いいな」


「「「ハイ!」」」


 一通りの注意事項を説明してから、仁達は25階層へと下りていった。



 ◇ ◆ ◇



 25階層に降り立つと、異変が起きた。


「ん、なんニャこれ!?」

「くっ、ち、力が抜ける」

「「「ぐぬぬ……」」」


 25階層全体に、聖なる力が満ちている。


「なるほど、封印を聖なる力で包んでいるのか…… 仕方ないが、お前たちは村へ戻れ。 いいな」


「ぐぬぬ、これしき……」

「ダ、ダメだニャ。 力が抜けていくニャ」

「無理をするな、戻って待機していろ」


 仁の命令で配下の者達は、階段を上り村へと引き返して行った。


「彼奴が言っていた『入れない』とは、こういう事だったか」

「そうだな、だがあのルナという少女はここで活動出来ているという事は……」


「間違いなく神の使徒だな」


 仁とマルスは、封印の間へと向かった。



 ◇ ◆ ◇



 仁達が封印の間へたどり着くと、扉が開き始める。


 ゴゴゴと重量感のある音と、扉と地面が擦れて震動が伝わってくる。


 扉が開き、封印の間の中から聖なる波動が漏れ始め、それが肌へと纏わり付く。


「ほう、凄いマナだな」

「ああ、これだと魔物すら消し飛ぶな」


 仁達が扉をくぐり封印の間へと入ると、聖なる力が満ち始めた。


「いらっしゃい。 へぇ、神の使徒って云うのは本当なのね」

「どういう事だ?」


 ルナは手を顎にあてて感心している。


「この封印の間は、私とケルベロス、守護者と一緒に造った結界なの。 この中で行動出来るのは、私が認めた子達と聖職者か、神の眷族だけなのよ」


「なるほど、だから配下の連中は近寄れもしないのか」

「あら、ごめんなさい。 先に許可を出して置けば良かったわね」


 ルナはニヤニヤしながら、仁を値踏みし始める。


「貴方、日本人よね」

「ああ、別世界の日本から来たがお前も日本人だよな」


「あら、よく分かったわね」

「まあ、建物の作りとか、料理を見れば分かる事だな。 焼き魚を泣きながら食べるとか、日本人じゃなきゃ、何処の人間というんだ?」


 ルナは仁の言いぐさに、少し苛立ち反論する。


「むう、あれはマジで辛抱出来なかったわ。 私の嗅覚がどれ程か分かるわよね」

「フッ、ミケが爆笑する程度であれば分かるぞ」


「なっ!? なんですって!」

「ああ、すまん。 俺は女の扱いが分からんのだ。 気に障ったら、謝るから許して欲しい」


 仁は素直に頭を下げたが、ルナにとってはどうでもいい事であって、逆にいい口実となった。


「…………。 まあいいわ、ミケに免じて許してあげる。 その変わり貴方の力を確かめさせて貰うわ。 あっさり死なないでね」


 そう言い終わると同時に、ルナは仁に向かって殺気を放ちつつ、仁の眉間に正拳突きを打ち込んだ。


「なっ、何をする!?」


 仁はモロに喰らって後方に吹き飛び、マルスは叫んだ。


「あら、避けもしないのね」

「なに?」


 ルナの言葉で、マルスは殴り飛ばされた仁を再確認する。


「はあ、やっぱり脳筋ファイタータイプか、もう少しは手加減すると思ったんだが……」


 仁はぼやきながら、瓦礫を押しのけ立ち上がる。


「へぇ、ダメージが無さそうね。 死んでも構わないぐらいに殴ったんだけど」

「流石にダメージは入ったよ。 HPの1割は減ったんじゃないか?」


 仁は首に手を当て、首を鳴らしながら調子を整える。


「仁殿、大丈夫か?」

「ああ、もう回復したから問題はない」


 マルスは仁に駆け寄り声を掛けたが、問題ないと制止される。


「で、どうかな? 俺は合格か?」

「フッ、ぜんぜんダメね。 女の扱いも下手なら、遣られ方もダメダメね」


 ルナは仁の評価を2段階下げた。


「そうか、なら如何したら認める?」

「なあに、その言いぐさ。 益々、気に入らないわ。 その根性叩き直してあげる」


 すると、ルナの毛並みが変わり、肉体が大きく変化していく。


「私は口だけの男は嫌いなの、覚悟しなさい」


 ルナの躰がみるみると成長を遂げ、身長や筋肉量も2倍程に達し、やがて人型から獣へと変わる。


 その姿は金色の狼、ジェットと同じく最上位のモンスターへと到達した。


「おお! マジかあ。 マルスは手を出すな、俺が相手をする」

「分かった、死ぬなよ」


 仁は云うと同時に、封印の間を飛び出した。

 



後編は、書き終わり次第投稿します。



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