ミケとルナ
すみません、今夜も遅れました。
24階層、4日目
仁達は、ワーウルフ達の村々に寄りつつ、25階層への階段を目指していた。
途中に寄った村では、通行の許可を求められたが、ジェットを見るなり通して貰えた。
休憩がてらに情報収集を試みるが、最初の村で聞けたものと大差はなかった。
ひとつだけ新たな情報があったが、村の施設や建物の形状は、里長が考案したというものであった。
一応、頭の片隅に留めるが、もう頭から離れず、確信を深める。
「会って確かめるしかないか」
転生者、転移者の可能性は以前も考えていたが、実際に可能性が迫ると不安になって来てしまうのだった。
◇ ◆ ◇
最後の村に入り、今日の移動はここまでとする。
「拠点を造らずにすむと、移動だけで楽だよな」
「そうだな、敵も居ないようだしな」
村と村の間を、ワーウルフ達が巡回しているので、敵対するものは居なかったのである。
「明日は25階層ニャ」
「やっとここまで来れたな」
「うむ、力をあわせて来れたのだな」
「まだ25階層が在るんだ、ゆっくり休めよ。 お、来たみたいだな」
「ご飯ニャ」
「ここの飯はなにが出るかだな」
途中の村でもご馳走になったが、すべて肉料理であった。
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
村の人々が仁達の宿泊施設へ、食べ物を運んで来ている。
「お肉ニャ、うまそうニャ」
「やはり肉料理だな」
「そうだな、肉でもいいが魚が食いたいな」
「そういえば、だいぶ魚料理を食べてないな」
「魚料理……、それはどの様な物ですか?」
リウが肉より魚派なので、仁も魚料理が恋しくなった。
「魚料理は、川や海で獲れた魚を調理したもので、魚は水の中で泳ぐ生物なのです」
「水の中ですか…… どんな生き物でしょう。 見てみたいですな」
仁は村長の一言で、我慢出来なくなった。
「じゃあ、ご馳走になりっぱなしもアレですし、魚料理を出しますか」
「「ん!?」」
「おしゃかなキャ!?」
仁が腰を上げて、炊事場へと向かう。
「村長、炊事場を借りたい。 何処に在りますか?」
「え? あ、はい。 ご案内します」
「おお、久しぶりの魚か、ほっけも良いが、魚なら何でもいいな」
「ん、イワナの塩焼きとかも食べたいニャ」
リウやミケの口は、すっかり肉より魚へと変わったようだった。
「ほう、魚料理とは色々とあるのですね」
「ええ、煮物や焼きもの、色々な魚で作り方が違うものも在りますね」
村長は土間におりて、かまどを指し示す。
「こちらです」
「では、お借りしますね。 あ、たくさん作るので、村の人たちも如何ですか?」
「よろしいのですか?」
「構いませんよ、食材ならたくさんありますので」
仁は食材の入ったアイテムボックスを取り出し、大量の魚を桶に移しだす。
「ありがとうございます。 では、皆を集めてきます」
「はい、ガンガン作るので、ご遠慮なくどうぞ」
仁は、かまどに火をつけ湯を沸かし、備え付けのオーブンらしき物にも火をつけ暖める。
これだけじゃ足りないと、外にでて石窯やバーベキューコンロを複数作り、焼きものの支度を始める。
「ん~、待ちきれないニャ。 あたしも手伝うニャよ」
「なら俺らは魚を焼くか」
「そうだな、それぐらいなら出来るしな」
ミケは魚をさばき、レドやリウは焼き魚の支度を始める。
それを見た仁は屋内に戻り、煮魚や蒸し焼きの支度を始める。
手分けをして、魚料理を次々と作って居ると、遠くから何者かが叫び声をあげてやって来る。
何事かと仁が外へ出ると、そいつは息を切らして、焼き魚を睨みつけていた。
「ハァハァハァ…… あ、あなた達! 何してんのよ!?」
「何って、おしゃかな焼いてんのニャ」
「さ、里長!?」
いきなり現れ、息を整え文句を垂れる銀髪の少女に、ミケか応え村長が驚いている。
「そうじゃない! 何で焼き魚なんてあんのよ!?」
「それは、主が出してくれたからニャ。 ていうキャ、あんた誰ニャ?」
「あんた達こそ、誰よ!?」
「ルナさま、落ちついて下さい。 彼らは神の使徒様たちです」
「はあ? えっ!? マジ?」
「はい」
里長ルナの質問に、ここの村長が宥めつつ応えると、ルナは大人しくなった。
◇ ◆ ◇
「う、旨い。 美味いよ~」
「ハッハッハ、そうキャうみゃいキャ 幾らでもあるニャよ、もっと食べるニャ」
涙を流しながら焼き魚を食べるルナを、ミケが腹を抱えて笑い、ルナの目の前に自分の焼いた焼き魚を並べていく。
はっきり言おう、どうしてこうなった。
「うう~、数千年ぶりの魚料理、ありがとう」
「そんなに食べてないのキャ……、大変ニゃね。 煮魚もあるニャよ、じっくり味わって食べニャ」
「うん、ありがとう。 あんた良い女だね」
「ん、あたしはミケ。 あんたは?」
「私は、ルナ。 ルナ・シルバリオよ、よろしくねミケ」
こうして、ミケとルナは出会い
良きライバルと、なっていくのである。
体調が良くないので、しばらくは投稿時間を決めずに、書き上げ次第で投稿します。




