守護者と封印
無理矢理感がありますが、よろしくお願いします。
仁は町での事や王都の状況、各拠点の配置換えなどの報告をしていた。
「と、まあ一通りの報告と、ワイルドボアの肉の差し入れをして来たんだが、マルスは居ないのか?」
「マルスなら、何時もの修行ニャよ」
マルスは時折ふらっと居なくなり、ひとりで修行をしている事がある。
「へぇ、まだ頑張ってるのか、相変わらず強さに貪欲だな」
「ん、主もだが人間の向上心には、尊敬に値するものがある」
「あたしらは強いけど、人間は弱いニャ。 マルスは別格ニャけど」
神の恩恵により与えられた人間の可能性は、純粋であれば聖を、邪ならば魔を発現し、時には神をも超える力となる事があると、仁は神自身の口から伝えられている。
「そうだな、人間は良くも悪くも貪欲な存在だが、たまにああいう人間が生まれるんだ。 それが神々からの恩恵でもあり、魔神達の糧にもなるんだ」
「暗黒面というやつか、恐ろしい力だな」
「それより、レドは如何したのニャ? さっきからずっとうわの空ニャ」
「それをいったら、ワーウルフ殿も変なのだがな」
報告は終わったのだが、若干二名が報告を聞かずに、ずっとうわの空でいるのであった。
◆ ◇ ◆
「まだ呆けているのか、あの二人」
「余程の何かがあったと思うが、何があったのかが分からん」
仁達が帰還してから1時間が経ったが、相変わらず二名がうわの空である。
「レドに何があったのニャ?」
「んー、レドは帰って来てからああだが、主は何か分からんか?」
「そうだな、ここまでは普通だったし、到着してからか? 確か、シルバーウルフじゃ、ジェットに追いつけないとか話したぐらいだな」
仁は道中を思い出すが、特に思い当たらなかった。
「ジェットちゃんに追いつけないとか当たり前すぎニャ。 なにか他には話さなかったニャ?」
「ん? 他か…… ジェットが俺より速いと言ったくらいだが」
「ニャニャニャ?」
「な、なんだと…… ジェット殿が主より速いのか」
仁の言葉に、ミケとリウは動揺し始めるが、更なる火種を放つ。
「ん? どうした? なにか変なのか? ジェットなら、とうの昔に俺より強くなったし、速いのは当たり前だろ?」
「ニャニャッ! マジかニャ? それが本当ニャら、それじゃニャいのキャ」
「な、なるほど、そうかジェット殿が最速で最強ということか、それでか」
二人の最強説を聞いた仁は、その認識に待ったを掛ける。
「んー、ジェットは最速だが、最強じゃないぞ、最強はアリア様だしな」
「「「な、なんだってー!?」」」
いつの間にか、レドは復帰していたが、今度はミケとリウもうわの空突入となった。
★ ☆ ★
「大丈夫か?」
仁は三人に、回復魔法『リカバリー』を唱えた。
「ああ、なんとか……」
「そうキャ、あのアリアしゃまが最強なのキャ……」
「そうだな、我らの知りうる事など、この程度なのだ……」
仁の爆弾発言は、三人の心に深いダメージを与えていた。
ジェットやアリアの普段は、のほほんと過ごしていて、仁には従順である姿を晒すその一人と一匹が、実は最強と最速という事実が、如何しても一致為なかったのであった。
「次はこっちだな」
仁はワーウルフへと近寄り、再度『リカバリー』を唱える。
★ ☆ ★
「そうか、あれは夢ではないのであるな」
「ああ、ジェット!」
わなわなと震えるワーウルフに、仁はジェットの正体を伝えた。
そして、そのジェットが仁に呼ばれ、その横へと座る。
「おお…… 真のケルベロス様であったのだな。 これであの方も救われる。 仁殿、是非聞いて頂きたい。 実は……」
ワーウルフは里の成り立ちと、現在の長が守護者代行であると、詳しく語りだすのであった。
☆ ★ ☆
ワーウルフの話はこうだった。
かつて、このダンジョンを守護していたのは一匹のオオカミであった。
長い年月により、そのオオカミはケルベロスとなり、このダンジョンの守護者となったそうだ。
そして、そのダンジョンに人とシルバーウルフが住みつき、ケルベロスと仲良くなり、そしてその人の子孫がウェアウルフとなり、世代を重ねて今のワーウルフとなったそうだ。
長い長い年月に、徐々にワーウルフ達は守護者から離れて暮らすようになったのだが、気付けば周りが敵だらけとなってしまったそうだ。
どれ程の犠牲が出たのかも分からない程、長い年月を戦い彷徨ったらしい。
そして、戦いの最中に守護者のケルベロスと出会い、再びその庇護下入ったそうだ。
ケルベロスも長い年月を戦い続け、悪しき魔神の使徒と争っていたらしい。
そんな戦いの中で事件が起きる。
何でも、封印を護っていた守護者に異変が起きて、封印の一部が解かれたらしい。
そのせいで封印は弱まり、このままでは魔獣の復活が起こると、守護者は身を犠牲にして再度封印を行ったという事だった。
そして、その封印の維持と管理を為ているのが、現在の里長なのだと。
この話は、代々の口伝により受け継がれてはいるが、どれ程の時間が過ぎたかが分からず、肝心の里長すらここ100年ほどは会っていないらしい。
「なるほど、守護者は封印の一部分となっていて動けない。 そして、その封印を維持しているのが里長なのだな?」
「そうだ。 我が知っていることは余りないが、子供の時のことは覚えいる。 今も封印がされているのは明白。 我らの守り神であるケルベロス様を救って欲しい。 お願いだ」
嫌な予感がする仁は悩むが、どの道行かねば為らないと引き受ける。
「んー、封印か…… 行くしかないか」
「有難い、我々では25階層には入れないのだ、宜しく頼む」
そして、翌日の早朝
仁達は、24階層へと出発した。
この先も難しいので、投稿時間を守れるか自信がありません。
頑張ります。




