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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
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ワーウルフ、巨犬と出会う

マルスのお話は何処へ行くのか……

何時もすみません。





 白のダンジョンへと戻った仁は、戦力の調整をすべく、各拠点を廻り配下達の配置換えを行う。


 始まりのダンジョンから連れてきた者達も、幾分減ってはいたものの、レベルも上がり全体の戦力も上がっている。


 各所の魔方陣を調整をしつつ、レベルの上がった者達を激戦区へと移動させていく。



 ◇ ◆ ◇



 そんなこんなで、22階層のジェットやレドの居る拠点へとやって来た。



「よう、お疲れさん」

「おお、お疲れさまです」

「ウォフッ!」


 レドは武具の手入れをしていて、ジェットは何処からともなく現れる。


「お! 元気そうだな、ジェット」

「ん、ジェット殿は毎日周辺を走りまわっておるよ」


 ここに来るまでの途中の拠点で、ジェット達シルバーウルフの斥候部隊の活躍ぶりを、仁は聞いていたので褒めることにした。


「そうか、良くやった。 お前たちの頑張りで、かなりの成果が上がっているぞ」

「ワフッ」


 ジェットを褒めると、仁の前に座りそのまま見つめている。


「なんだ、ん? ああ、これか……」


 仁はアイテムボックスを取り出し、ワイルドボアの骨付き肉を取り出した。


「ウォフッ!」


 ひと鳴きすると、全力で尻尾を振り出した。


「ハッハッハ、やはりジェットの鼻はごまかせないか。 ん、いいぞ」

「ワフッ」


 仁が許可をだすと、ジェットは骨付き肉を前足でおさえ齧り付いた。


「おお、旨そうな肉だな。 良かったなジェット殿」

「レド、少しいいか? 話があるんだ」


「ん、構わんよ。 なにかあるのか?」

「まあな、そろそろ最下層に行けそうなんだ。 それでお前とジェットを連れていこうかと思ってな」


「分かった。 同道するとしよう」

「ありがとう。 ジェットもよろしくな」

「ワフッ」


 仁の要請にレドは即答し、ジェットは骨を齧るのを中断して、同意といった鳴き声をあげる。



 その後、残った戦力を再編成して、レドとジェットを連れて23階層へと向かった。

 


 ◇ ◆ ◇



 23階層へと入り、各拠点に立ち寄り補充を行う。



「うん、やはりジェットが居ると、移動は早いな」

「ん、同感だがいいのか?」


「何がだ?」

此奴(こいつ)らも連れてきて」


 仁はジェットに乗っており、レドはシルバーウルフに乗って移動している。


「大丈夫だろ。 ジェットに仕込まれたんだ、奴らだけでもやっていけるさ。 なあ、ジェット」

「ウォフッ!」


 仁はジェットに仕込まれた、数頭のシルバーウルフを一緒に連れて来たのである。


「そろそろ到着だぞ、そこで皆と合流だ」

「了解!」


 22階層からここまで、大凡3時間というから驚きのスピードである。


 ほぼ全力で走れる程の広さと、シルバーウルフクラスの脚力は、徒歩での移動と比べることもなく、その道のりはあっという間の出来事であった。


 数日間かけて敵を間引き、拠点間を巡回する配下が居てこそのスピードでもある。



 ◇ ◆ ◇



「よし、到着だ。 ジェット、お疲れさま。 もう自由にしていいぞ」


 仁がジェットから騎乗用の帯やハーネスを外していると、レド達も到着した。


「いやあ、ジェット殿の全速力は早すぎて、シルバーウルフでも追いつけんよ」


「ハハハ、お疲れさん。 まあジェットは最上位種だしな。 トップスピードは俺より早いからな」

「…………。 マジかよ」


 そんな会話をしていると、ミケやリウ達が出迎えにやってくる。


「お帰りニャさい」

「お疲れさまです」


「ん、ただいま」

「レド? 如何したニャ?」

「ん、何でもない……」


「変なの、それより久しぶりだニャ、元気ニャ?」



 ── 3分前 ──



「主、遅いニャー」

「そろそろ帰ってくるだろう。 それより、少しは武具の手入れをしろ。 背中のハーネスがズレてるぞ」


 リウの指摘に、ミケは背中を見ようとしたがすぐに諦める。


「ん、後で直すニャ」

「まったく……」


 リウは呆れて立ち上がると、そこへワーウルフが飛び込んできた。


「オイ! 何かが近づいて来るぞ! しかも、速い!」


 ワーウルフが、何者かの急接近を警告する。



 ◆ ◇ ◆



 ワーウルフの警告を聞き、ミケたちは物見櫓へと走った。


 ミケはするすると櫓の上へ登り、ワーウルフの云った何かを探しだす。


 櫓の上で、仁から貰った双眼鏡を覗くと、遠くから土煙をあげで向かってくる黒い影が見える。



「んー…… んニャ!? ジェットちゃんニャ! 主もいるニャよ、帰ってきたニャー」


 櫓の上で、仁達の帰還をミケは叫んだ。


「なるほど、ジェット殿なら納得だ。 主の迎えに行かんとな」

「よっ、あたしが一番乗りニャよ」


 櫓から飛び降りてきたミケは、われ先に出迎えにいくぞと走りだした。


「ワーウルフ殿、我らも行くぞ」

「ん、分かった……」


 リウに促され、いまいち納得しきれないワーウルフであったが従うことにした。



 ── 前記へ ──



「変なの、それより久しぶりだニャ、元気ニャ?」


「ん? ああ……」

「んー、レド? 本当に如何したニャ?」


 そんな会話をしている後ろでは、ワーウルフが仁とその側に座っている、巨犬(おおいぬ)に目が釘付けに為っていた。



「ま、まさか…… ケ、ケルベロス様なのか…… いや、有り得ん…… だがシルバーウルフも居るぞ、どうなって居るのだ?」


 ワーウルフは仁達の前で呟きながら、ぶつぶつと小声で語りだした。


「漆黒の毛並み、大きくしなやかな躰に長い尾、首が三つ…… やはり違う、だがこの存在感は…… そして……」


 ぶつぶつと呟くワーウルフは、仁達の視線に気付かず、未だ心ここに在らずであった。




何時も、ありがとうございます。

今月も、月別PV最多記録みたいです。

これからも頑張ります。



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