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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
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猫のたたかい

マルス回、だがしかし……





 23階層2日目は、拠点作りから始まる。



 前日の夜は、周辺の偵察を兼ねての掃討戦で終わった。


 野営地を設置して、最初の召喚魔方陣を展開して、休息を取ったのだが……

 予想に反して、襲撃を受けてしまった。


 ワーウルフ Lv40

 HP:1200/1200


 突然の襲来により、ワーキャットたちに多大な被害が出てしまう。


 召喚魔方陣により補充は為れるが、ここまでの被害がでると維持は難しいと判断された。



「あたしの兄妹たちが……」

「ん、残念だが相手が悪すぎたな」


 ミケは、倒された仲間たちが消えゆく姿をみた時は、哀しげであった。


 召喚魔方陣で呼ばれたモンスターは、基本的に仮初めの命を持つ存在である。

 Lvは固定であり、会話は出来るが知能は高くはないし、独自の感性もない上に、感情の起伏もない存在であった。


 例え倒されたとしても、消えて補充される存在である。



「しかし、ものの数十秒で半壊とかじゃ、先に見つけないと駄目だよな。 召喚レベルを見直すか?」

「そうだな、ある程度数も必要だな」


 仁は召喚魔方陣の内容を変更し、新たな召喚魔方陣を追加する。



 ワーキャットとサーベルタイガーの召喚レベルを30に引き上げ、50体までと設定した。


 新たな召喚魔方陣には、リザードマンをLv40で10体で設置する。


「あとは、シルバーウルフが居れば大丈夫だな」

「んー、やり過ぎな気もするが、まあ良いんじゃないか」


「フッフッフ、我が同胞がついに……」


 リザードマンが召喚され、リウは不敵に嗤う。


「新たな仲間たちよ、よく聞くニャ。 ワーウルフが来たら戦うニャよ。 生き延びて、全力で嫌がらせするんニャ。 相手をするのは、リザードマンに任せるニャよ」 



 ◆ ◇ ◆



 転移魔方陣を設置後、仁達は周囲の索敵を開始する。


 現時点でワーウルフが出現するかは分からず、拠点を造るにしても強度をどれぐらいにするかも分からないからである。



 23階層は疎らであるが草木が育ち草原や森があって、そこに隠れ住む獣系のモンスターが出現する。


 ワイルドボア Lv32

 HP:640/640


 グレイフォックス Lv34

 HP:544/544


 ブラッドベア Lv38

 HP:1368/1368


 見た目普通の動物であるが、どれもレベルが高く攻撃力もあり、それが単体で現れるのだ。


 ワイルドボアは、文字通り猪突猛進。

 グレイフォックスは、草に隠れ待ち伏せ。

 ブラッドベアに至っては堂々と為ており、近寄ると立ち上がり威嚇してくるのである。


 どれもがパワフルで狡猾、油断の出来ないモンスターであった。




 あれから半日をかけて調査したが、ワーウルフは現れず、夜に襲われたので夜行性のモンスターでは? となったが、ダンジョンで夜行性とは納得も出来ずに、答えは出なかった。



「そうだよな。 我々がダンジョンの外と時間を合わせているからと云って、ダンジョンの中では関係ないよな」


「時計もニャいし、三交代制ニャんてないニャ」

「うむ、気分で活動する。 それがダンジョンだな」


 腹が減れば他者を襲い、眠い時に眠る。

 如何にもモンスターらしく、ダンジョンらしい答えであった。



 ◆ ◇ ◆



 結局、ワーウルフの情報は得られず、シルバーウルフを召喚魔方陣で呼び出す事となった。


 レベルは30で固定50体までと設定し、常時索敵をすべく10体毎に班をつくり、3部隊活動を軸に残り2部隊に6時間交代制で、1部隊ずつ入れ代わるようにと、命令を与えた。



 一通りの対策を考えて防護柵を巡らせ、各所に防御壁で進入経路を限定させ、敵が(とど)まるように設置する。


 勿論、防御壁の内側には、飛び越え対策で罠を設置してあるので、空を飛べない限り、まず超えられないように為っている。



 ◇ ◆ ◇



 拠点を完成させたので、今後の作戦を考える。


 ワーウルフがこの先に出る可能性はあるとして、その対処を如何するかである。


 主力メンバーは問題ないが、各部隊の召喚モンスターを、如何するかであった。


 ワーキャットとサーベルタイガーでも構わないが、さすがに相手がワーウルフとなると難しい。


 数を増やすか、レベルを上げるかしないといけない。


 だが、それをすると如何しても時間が掛かるので、強力なモンスターを召喚した方が早いのだ。



「フニュ…… にゃんこは要らない子?」

「んなわけないだろ。 ただレベルが足りないだけだ。 お前たちは必要だ」


「なら、あたしもここに残るニャ」

「はあ、分かったよ。 ならレベリング為るしかないな」


 ワーキャット達を拠点に残して、新たな召喚モンスターで出発すると決めたのだが、ミケはそれに反対したのである。


 ミケはワーキャットたちの中に入り、仁はそのミケを説得する。


 だが、そんな説得は無駄であった。


 シュンと耳を伏せ、俯きがちに目線をこちらに向けて、弱々しく此方に投げかけてくる言葉に、仁は負けてしまう。


 そして、仁もミケの言い分も理解出来るので、一晩だけレベリングをしようと許可を出したのだ。


 するとミケは、目を輝かせて立ち上がり、ワーキャット達に飛びつき喜んだ。


 そう、すべてはミケの()()()()に負けたのであった。


「やったニャー! ミケも頑張るニャ!」

「お前はやらんでいいわ!」


 仁はミケの変わりように、イラっとしてツッコミを入れてしまった。


「ハハ、主は甘いですな。 ミケも我が儘が過ぎる。 だが分からなくもない」

「そうだな、ミケが抜けるとムードメーカーが居ないしな。 これはこれで仕方ないよな」



 こうして夜の遅くまで、ワーキャットやサーベルタイガーのレベリングを行い、全体レベルの底上げを図ったのである。




書き終わったら猫のお話になってたました。 すみません。

だが、反省はしていない。

ワーウルフにリベンジするまでは……

たぶん…… 出るのかな?



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