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普通だと言い張る男のVRMMO  作者: 黒色猫


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6/8

ネズミ退治

 

「はい。こちらが報酬の500Gになります」

「ありがとうございます」


≪経験値を獲得しました≫


 クエストの終了証明書を提出し、無事にお金を受け取ることができた。アナウンスで経験値も獲得したらしい。ウィルパレード・オンラインではモンスターを倒したとき以外にも、クエストを達成することで経験値が得られる仕組みがある。全く戦闘をしない生産組にはありがたいシステムだ。

 それじゃあ早速次のクエストでも探そうかな。俺のレベルでもできて、かつ時間がかからなそうなものは……。お、これなんかいいんじゃないか?


〇害獣駆除

倉庫街で荷物を漁り散らかすネズミモンスターの駆除をお願いする

推奨レベル:1~

報酬:500G


 推奨レベルが1からだし、モンスターの駆除はやってことがないから挑戦してみたい。時間はかかるかもしれないが、このクエストには俺にとって得難いものがある。それは……モンスターとの初戦闘!外のフィールドのモンスターが推奨レベル5以上なのに対し、こっちは1!つまり余裕を持って戦える可能性が高いのだ!!やっぱりこのゲームの戦いはどんな感じか一度知る必要があるからな。


「これをお願いします」

「……はい、大丈夫です。依頼者はまずは11番倉庫の方に来てほしいそうです。お気をつけて」

「ありがとうございます」

 

 向かうは倉庫街。支援ギルドと同じ北西エリアにあるから、歩いてすぐだな。人通りの多い道から、段々と人気のない場所へ歩いていく。こっちの方はプレイヤーの姿も少ないなー。やっぱり倉庫しかないから?特にお店とかもなさそうだし、用事がない人以外は寄り付かないだろうね。


 11番倉庫に到着した。他の倉庫と同じ赤い外壁で、扉が石材で作られている。とりあえず押してみると、案外すんなり開いた。


「すみませーん」

「……おう、ちょっと待ってろ!」

「あ、はーい」


 中では複数の人が作業をしていた。荷物を数えては記録したり、別の場所に移動させたりしている。全員腕や腹筋ががムキムキだ。あれは常日頃から体を鍛えているとみた。

 そんな馬鹿なことを考えていると、ムキムキたちより頭1つでかいスキンヘッドがこちらに近づいてきた。この人も素晴らしい筋肉をお持ちである。


「んで、ここに何の用だ?」

「こんにちは。依頼を受けて来ました、テトといいます」

「依頼……ってーとあれか、害獣駆除しに来たってことか?」

「はい、そうです」

「そうか……ようやく来てくれたか!!」


バンッ!!!!!!


 ………痛ー!!!!!!!!え、俺の背中取れてないよね?今モンスターにでも突撃された?ってくらいの衝撃が来たんだけど。身構えてなかったから見事に数メートル前方に飛んでったよ、俺。無事顔面着地なんかもしちゃったよ?


「おう、すまんすまん。つい手加減せずにぶっ叩いちまった。坊主、起き上がれるか?」

「……大丈夫っす………」

「そうは見えないけどな……ほれ、服パンパンしろよ」


 地面に五体投地したまま動かないでいると、ひょいっと体を持ち上げられ立たされた。あ、めちゃくちゃ埃ついてる……。なんか怒りを通り越して泣きたくなってきた。


「あー……その、なんだ。飴でも食うか?」

「……貰います……」

「……いっぱい食えよ…」


 両手から溢れ出そうなほど大量の飴を頂いた。しょうがない、さっきのことはこれでチャラにしてあげよう。いそいそとインベントリに仕舞い終えると、改めて仕切り直す。


「コホン。それで俺はテトといいます。ネズミモンスターの駆除をするために来ました」

「お、おう。俺はシド。この倉庫街の責任者みたいなもんだ。早速だがお前にはコモラットの退治をお願いしたい」


 コモラットとは、全長が30~40㎝ほどの低ランクモンスターだ。常に3~5匹ほどで行動しており、攻撃は単調だがすばしっこい。


「こいつらしょっちゅう倉庫に現れては荷物をかじっちまうんだ。退治しようと思っても、こんなところで武器を振り回すわけにはいかなくてな…。テトは見たところ魔法を使うんだろ?」

「はい」

「やっぱりな。それじゃあ討伐は楽だと思うぞ。まぁ、攻撃を回避しながら戦う必要はあるがな」


 とりあえず30匹討伐すれば依頼は達成にしてくれるそうだ。コモラットは倉庫の中ならどこにでもいるらしいので、ひたすら歩き回ってみる。ちなみにこの倉庫街は火気厳禁。俺は火魔法持ってないから関係ないけど。

 魔道ランプの光はあるものの、倉庫内はどこか薄暗く感じる。目を凝らさなければ奥の方が見えないくらいだ。……ん?なんか複数の小さな赤が動いてるぞ。


「って、あれがコモラットか」


 黒い毛に覆われた尻尾の長いネズミが3匹、荷物をガジガジと噛んでいる。俺の存在にはまだ気付いていない。これはチャンスだ。

 ここは土魔法と風魔法を使うか。まずは土魔法でコモラットたちの周りに壁を作り、風魔法で中を攻撃する。


「ギッ?!」

「やっぱり一撃だと倒しきれないよな…」


 続けて2発、3発と風の刃を送り込む。壁の中がどうなってるか分からないが、着実にダメージは与えられているはずだ、多分。


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