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普通だと言い張る男のVRMMO  作者: 黒色猫


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5/8

初クエスト終了

 ガルドさんからの指示をもらい、まずは地面に転がっている木剣と木盾を回収していく。まずは木剣から拾っていくか。


訓練用の木剣

説明:初心者向けの模造武器


 一旦インベントリに全部入れてって、最後に剣入れに片付けにいこう。木剣は軽く、初心者でも軽々と振り回せそうだ。最初の訓練にはちょうどいい重さだろう。


「……ん?」


 順調に集めていると、1本だけ妙に重いものがある。見た目は同じなのだが、持った瞬間ズシリとした重みがきた。


訓練用の木剣

説明:???


 説明文もはてなになっている。これは明らかにおかしいな。とりあえず周囲の木剣と木盾を回収し、元の位置に戻してガルドさんの元に向かう。


「ガルドさん、ちょっといいですか?」

「ほっほっ。もちろんいいよ。どうしたかな?」

「見てほしいものがあって…」


 インベントリから謎の木剣を取り出し手渡す。ガルドさんは一瞬目を見開いたかと思うと、何やら真剣な表情で観察し始めた。


「……これはどこに?」

「武器や盾が散らばっていたところにありました」

「なるほど。いやまさか、こんなところでなるとは」


 何がですか?俺があまりにも聞きたそうな顔をしていたのか、微笑みながらゆっくり宥めるように頭に手を置かれた。


「たまに起こるのだが、本来魔力を帯びない物体がなんらかの方法で魔力を吸収し、魔道具となることがある」

「魔道具、ですか?」

「そう。魔力をエネルギーとして機能する物体のことだ。人工型と自然発生型があってね、この木剣は自然発生型に分類される」


 さらに詳しい説明がいるか聞かれたので、一旦お断りしておいた。話が長くなりそうだし、俺は掃除しなきゃいけないので…ほんと心苦しいのですが、また別の機会にお願いします。

 木剣はそのままガルドさんに預ける。これからさらに詳細な鑑定を行い、どのような効果を持っているのか調べていくそうだ。


 さて、と。そろそろクエストに戻ろうか。俺は訓練場の中央に向かう。そこにはいくつもの藁でできた訓練用人形が横倒しになっている。それを起こし、地面に固定するための金具をしっかりはめるまでが仕事だ。訓練している人たちの邪魔にならないように慎重に移動しながら、手早く人形を元の形に戻していく。


「よいしょっと」


 数をこなしすと、作業スピードが速くなってくる。起こしては固定し、起こしては固定し。訓練場が広いから、比例して訓練用人形の数も多いのがつらいところではあるな。

 淡々と終わらせていき、ついに最後の一体を固定した。よし、これで全部かな。


 最後は、ゴミ拾いと訓練場の掃き掃除だ。大きいゴミは手で拾い、細かいゴミは箒で掃いて集める。ガルドさんからゴミを入れる袋を貰ったので、いざ!頭の中でロックンロールを流しながら、手早く丁寧に掃除していく。訓練している人たちとぶつからないよう、周囲を確認することも忘れない。

 ゴミ袋一杯になったら、掃除終了だ。ガルドさんのところに持っていく。


「終わりました。確認をお願いします」

「ほっほっ。見るまでもないよ。訓練場が見違えるように綺麗になっているからね。お疲れ様」

「ありがとうございます!」


 クエストが終わった証明書をもらい、訓練場を後にする。これを支援ギルドの受付に提出すれば報酬が貰えるのだ。初めてクエストをやり遂げた達成感がこみ上げてくる。

 気分的にはそのまま支援ギルドに帰りたいところだが、俺にはもう1つやらなければならないことがある。そう、ギルド登録だ。せっかく冒険者ギルドに来たんだから、ついでに済ませておこう。最初にやり取りした職員さんのところに向かう。


「あ、どうでしたか?」

「無事終わりました。ありがとうございます」

「いえいえ。こちらこそありがとうございました」

「それで、あの、冒険者ギルドの登録手続きをしてもらうことはできますか?」

「もちろん。まずはこちらの測定器に手を置いてください」


 カウンターの上に置かれた道具に手をのせる。すると測定器とやらが白い光を放ち始めた。


「問題ありませんね。それではこちらの書類にサインをお願いします」

「はい」

 

 冒険者ギルドの規約にすべて同意することを証明するといった内容のものだった。等ギルドでは騒がない、等ギルドの職員に絡まない、クエストの成功率が低い場合は受けられる依頼が制限される場合があるなどなど。

 1つ1つに目を通し、理解できなかった部分は質問しながら全ての項目を読み終えサインした。


「お願いします」

「はい、ありがとうございます。それでは手続きの手数料として500G頂きます」

「このプレートは使えますか?」

「大丈夫ですよ。こちらお預かりしますね。……はい、ハンコを押しました。これでテトさんは冒険者ギルドの一員となります」


 俺がサインした書類にハンコが押され、無事登録することができた。よしよし、これで当初の目的は達成されたな。やっぱり俺の中で冒険者ギルドは憧れみたいなものだから、必要なくても登録したかったんだ。クエストはまた今度受けよう。

 職員さんにお礼を言い、フワフワした気持ちのままギルドを後にする。支援ギルドに戻ってクエストの終了報告でもしますか。


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