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ある朝、僕の“それ”が消えた。  作者: 花束 いと


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第4話 この場で、告白

 美術の時間はあっという間にやってきた。


 奥田さんは今、僕の隣に座っている。

 僕もまた、奥田さんの隣に座っている。


 心臓が別の意味でうるさい。

 田所は目が合う度に『はやく言えよ』とジェスチャーを送ってくるが、それどころではない。



「蒼井くん」



 息が止まる。


 飾り気はないのに、鈴が鳴るような可愛らしい声。


 奥田さんが、僕の顔を覗き込んでいた。



「な、なに」

「これ」



 渡されたのは、画用紙。

 あれだ、先生から配られたものを隣の席同士でとって、残りを後ろに回す形式のやつだ。



「あ、ありがとう」



 ぎこちなく画用紙を受け取って、後ろに回す。

 振り返ったときには、もう奥田さんは僕を見ていなかった。


 そうだ。

 真面目な奥田さんが、僕なんかに興味を持つはずがない。


 彼女を好きになってはや一年。

 何もなかったのがいい証拠だ。



 ふぅ、ようやく心臓が落ち着いてきた。

 ……正確には落ち込んできたんだけど。



「休み時間、なに騒いでたの」

「ふぇあ!?」



 突然の問いかけに声が出た。

 先生からの視線に背を丸めつつ、小声で聞き返す。



「え、僕に言ってる?」

「うん。

 蒼井くんと田所、盛り上がってたから」



 奥田さんの瞳は、いつの間にかキラキラしてた。


 身体の距離がじりじりと近づいてくる。

 あああ! また僕の心臓が破裂しそうなくらいに大きな音を立てる。



「ねぇ、おちんちんがどうしたの」

「それは……」

「それは?」

「言いたくない、んだけど」

「気になる」



 逃がしてくれない。


 そうこうしてるうちに、奥田さんの胸が腕に当たった。


 まずい。頭がのぼせそうだ。

 早く解放してもらわないと。


 僕は、回らない脳みそにムチを打って、なんとか言葉を吐いた。



「実は僕……ちんちんが無くなったんだ」

ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます!

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