第18話 不自由な恋
中一の春。
入学式を終えた俺は、初めて親父の秘蔵のAVを内緒で鑑賞した。
そのとき、気づいたんだ。
女が攻められるときは、女を見て。
男が攻められるときは、男を見て。
不思議と俺は、女のおっぱいにも男のちんちんにも興奮することが出来た。
◇
ある日、蒼井のちんちんが消えた。
LINEで知った。
最初は信じてなかったが、実際に見るとある種の感動が芽生えたことをよく覚えてる。
「……あのとき、安心したんだよな」
ああ、これで蒼井のこと恋愛対象として見なくて済むんだ……って。
まあ駄目だったが。
人気のない公園の、くっせぇトイレ。
あのときのことを思い出すように、俺はそこに引きこもっていた。
「……嫌われた、よな……」
告ったときの蒼井の顔を思い出す。
そりゃあもう、ひっでぇ顔だった。
裏切られたみたいな、
遠慮するような、
少なくとも、ダチに向けるツラじゃなかった。
「仕方ねぇだろ。
ちんちん無くなっても、好きだったんだから」
委員長は、いいな。
女だから蒼井に惚れてもらえて、
女だから蒼井に告白してもらえる。
「俺が女だったら、こんな思いしなくて済んだのかもな……」
あいつはえらくお人好しで、相手本位なところがあって、他人の気持ちに敏感だ。
女の俺が告れば、好きじゃなくてもきっと渋々OKしてくれたはずだ。
なんだよ、女って。
ずるすぎんだろ。
頭に血がのぼる。
思わず下唇を噛んだ、そのときだった。
ガンガンガンガンッ!!
俺がこもっていた便所の扉が、激しく叩かれた。
「おーい!!」
女の人の声。
知らない、声。
心臓がはやくなる。
全身が凍りついた。
扉の向こうにいるのは、誰だ?
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