表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある朝、僕の“それ”が消えた。  作者: 花束 いと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/21

第16話 女の子の告白

 奥田さんが目を覚ましたのは、保健室に運んで五分が経った頃だった。


 とろん、とした瞳が僕を見つめる。



「メガネ……」

「あ、ごめん。これ」



 枕元に置いていたメガネを渡す。

 メガネをかけた奥田さんは、いつもと違ってどこかしおらしく見えた。


 でも、無事に目を覚ましてくれたことに変わりはない。



「よかった……死んだかと思った」

「蒼井くん、大袈裟だよ」

「泡吹いてたら誰だって思うよ!?」



 くすくすと小さく肩を揺らす奥田さん。

 だが、その表情は徐々に曇っていく。



「私ね、まだ恋愛とかよく分からないんだ」



 思わず息が止まる。

 それは、意外な告白だった。



「男子といてもドキドキしないし、女子の恋バナにも興味がない。

 それより……もっと他の、知識とか観察とか、そういう分野が好きなんだ」

「……そう、なんだ」



 この世は多様性で満ちている。

 きっと、恋をしない女子だっているのだろう。


 頭では受け入れた。

 でも、心がついていかない。



 僕は、奥田さんに異性として意識してもらえないのか?



「変だよね」

「……変じゃない」

「変だよ。……ごめん、こんな女で。

 こんな身体、してるのに」



 奥田さんが胸の辺りを掴む。

 グレープフルーツみたいなおっぱい。

 それが、彼女にとってひどく重荷に見えた。



「しばらく一人にしてもらってもいいかな」

「……うん」



 僕は何も言えないまま……気持ちの整理もできないまま、保健室を出た。



「蒼井」



 そこでばったり、田所と鉢合わせた。

 彼を見た僕は思わず、口を震わせる。



「なに、泣きそうな顔してるんだよ」



 田所は、苦痛に耐えるように顔を歪めていた。











ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます!

評価や感想をいただけると大変励みになりますので、もし楽しんでいただけましたらよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ