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ある朝、僕の“それ”が消えた。  作者: 花束 いと


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第11話 男を示せ

 二人を家から追い出したあと。

 僕は、リビングの横の和室にある仏壇の前に座っていた。



「……ちんちんが戻ってきますように」



 そっと手を合わせる。


 父方の祖父母は、僕が生まれて早くに亡くなったから、正直なところ思い出はない。


 だが、孫だという理由だけで救ってほしいと思った。

 お父さんいわく、祖父母は僕が生まれたとき、かなり喜んでくれていたらしいから。



「まだちんちん生えてないの?」



 アイス片手に現れたのは姉貴だ。

 呆れたような口調で、正座する僕を見下ろす。



「生えてこない。つるつる」

「変なの」

「変だよ」



 うつむいて、膝の上でこぶしを握る。


 朝勃ちしなくなった。

 小便器を使わなくなった。

 ちんポジを気にしなくなった。


 どれもこれもが、居心地が悪い。



「僕は、つまんない男になった」

「ははぁ」



 なんとも言えない声を漏らす姉貴。


 しばらくして、姉貴が隣であぐらをかいた気配がした。



「男を示せばちんちんが返ってくるらしいんだ」

「なにそれ」

「紙切れに書いてた」

「いたずら?」

「誰が?」

「……いないか」



 しゃり、と姉貴はアイスをかじる。



「ちんちんがないのに、男を示せって。

 どうしたらいいと思う」

「……んー」



 姉貴は悩ましげな声をあげて、天井を仰ぐ。


 しゃり、しゃり。

 アイスがどんどんなくなっていく。


 最後の一口を食べ終えたところで、姉貴は天井を見上げたまま言った。



「元カレが浮気性だったんよね」

「? うん」

「だから、ちんちん切ってやろうとしたわけ」

「はぁ」

「ちんちんがない男って、女にとって最高じゃね」

「つまり?」

「恋の成就」



 姉貴は、僕を見てニヤリと笑う。



「あの女の子のこと好きなんでしょ。

 告って、男見せれば?」

ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます!

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