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ある朝、僕の“それ”が消えた。  作者: 花束 いと


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第10話 紙様

 田所は机の裏に手を伸ばす。


 ガタイがいいせいで苦戦していたが、僕と奥田さんが手助けをする前になんとか『ソレ』を取り出した。



「これ、なんだ?」



 見せられたものは、やけに小綺麗な紙切れだ。


 見覚えのない紙切れ。

 それを、奥田さんが真っ先に覗き込む。



「『ちんちんは預かった。返して欲しくば男を示せ』だって」

「男を示せ……?」



 示すためのちんちんがないのに、どうやって?



「誰かのいたずらだろ」



 田所が鼻で笑う。

 奥田さんもそれに続くように頷いた。



「いたずらの犯人を探した方が早いよ。

 占いとかしてさ」

「幽霊の仕業ならお祓いで一発なんじゃね?」

「除霊したら解決しそうだもんね」

「敵倒したら全部元通り、つってな」

「……それで、一生戻らなくなったら?」



 僕の言葉が、部屋に虚しく響く。


 分かってる。

 僕が傷つかないように、二人が気を遣って明るく言ってくれていることくらい。


 でも、言わずにはいられなかった。



「僕は、嫌だよ。

 ずっとちんちん無しで生きていくの」



 二人の顔を見れない。

 今、二人はどんな顔で僕を見ているのだろう。



「……ごめん。

 今日は、帰ってほしい」



 これ以上、二人を傷つけてはいけない。

 その気持ちだけで、僕は言葉を絞り出していた。

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