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知らない女の子に私は今日も100円で抱かれている~100円で抱かれる部~  作者: グナ


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すいぞっかん!

約束した日に待ち合わせ場所の駅に行くと、みうが手を振りながらこっちに駆けて来た。


「奈凪センパイ遅いです」

「時間通りじゃん」

「1分遅刻してますよぅ」

「1分くらい良いじゃん。先輩だし」

「1分でも不安にさせないで下さい」

「ごめんごめん」


適当に謝ってから改札の方に行こうとすると、腕を取られて止められる。

腕がグギっとなって痛かったが、スカート引っ張られるよりはマシか


「なにか言うことあるんじゃないですか?」

「謝ったじゃん」

「そうじゃなくてデートなんだからみうの服装褒めて下さい」


なんか綾坂っぽいなと思いながら、みうのコーディネートをチェックする。


「肌出し過ぎじゃない?」

「えーパパみたいなこと言わないで下さいよ」


みうは不満そうにしたが、下手に褒めると口説いたことになりそうなので、それ以上の感想は胸に秘めておくことにした。


電車に乗ると休みの日だからなのか比較的空いていて、空いていたボックス席に向かい合って座ると、みうがジュースの缶を差し出してきたのでお礼を言ってから受け取る。


……ぬるい

もしかしてずっと前から待っていてくれた?


1分とはいえ、遅刻したことが申し訳なってきたが、それとは別に釘を刺しておくことがある。


「言っとくけど夕飯前には帰るからね?」

「えーなんでですかぁ?勝負下着履いてきたんですよぉ」

「だからなんよ」


ジュースを飲みながらみうをジト目で見つめる。

なんか愛花先輩っぽくもあるんだよな

デート終わりにラブホに連れ込まれるのは絶対に避けたい




目的地の水族館に着く

魚は見るより食べる方が好きだけど、涼しそうだからここに決めた。

誘ってきた癖にデートプランを丸投げするのはどうかと思うよ


涼しそうって理由で決めた水族館だったが、入ってみると楽しくなってきて、色んな魚をシャッターに収めた。

小さい時に家族と行った時より楽しいかもしれない

横で勝手に解説してくる姉が居ないからかな?


「ねーお魚さんばっかり撮ってないでみうも撮って下さいよ」

「みうはいつでも撮れるじゃん」

「そ、それってプロポーズ!?」

「違うから!」


みうが変なことを言ったので折角目の前に来ていたサメを撮り逃してしまった。

仕方なくみうの膨れっ面を撮る。


「わわっ!?勝手に撮らないで下さいよぉ」

「撮れって言ったじゃん」

「一緒に撮りたいって意味ですぅ」


そう言ってみうは私にくっついてから手を伸ばして自撮りした。

撮れた写真を見せて貰ったが、顔がアップ過ぎて肝心な魚が写っていない

あまり魚には興味がないのかなと思ったが、彼女はクラゲの水槽の前で立ち止まった。


「クラゲ好きなの?」

「そーですね」

「なんで?」

「なんでだと思います?」

「ぷかぷか浮いてるから?」

「ちーがーいーまーす!みうを怠け者だと思ってません?」

「じゃあなんで?」

「クラゲって老けないらしいっすよ。ヤバくないですか?」

「ヤバいとは思うけど、それが好きな理由?」

「そーっすよ。まぁ奈凪センパイにはまだクラゲの良さが分からないかぁ」


クラゲ観察に戻ったみうを観察する私。

変わらないことに憧れてるのかな?

その割には中学の時と、大分雰囲気が変わった気がするけどな

以前の彼女はちょっと芋っぽい子で、こんなお腹を出すようなファッションをするような感じじゃなかったハズだ


クラゲに飽きてきた私はそのことについて聞いてみることにした。


「……なんかあった?」

「え、なんもないですよ。もしかして嫌なことがあったから誘ったと思ってます?」

「そうじゃなくて、急に大人っぽくなったから私が卒業した後になんかあったのかと思って」

「……それはセンパイのせいですよ」

「私のせい?」

「そーです」

「なんかしたっけ?」

「え、無かったことにしようとしてます?」


水槽の中にいきなりパンダが投げ込まれたような顔をされたが、本当に覚えがない

みうが大人っぽくなったのと、私になんの因果関係があると言うのだ


「振ったことナシにしないで下さい!」

「えっ!?」

「そんな気の使われ方されたくありません!」

「ちょ、ちょっと待って!振ったもなにも告白された覚えがないんだけど!?」

「卒業式の日に奈凪センパイの全部を私のモノにしたいって言ったら、センパイは私のことガブって噛んで振ったじゃないですか!」

「あ、あれそうだったの?」

「どう考えても告白のセリフじゃないですか!センパイ自体が欲しいってちゃんと言いましたよ?」

「臓器提供の話かと……」

「なんでですか!?」


興奮したみうは私にがばっと抱きついた。

クラゲがなんか集まってきた気がする。


「私、奈凪センパイに振られてからセンパイの好みになろうとしていっぱい頑張ったんですよ?それなのに告白が伝わってなかったなんてあんまりです」

「こ、告白が伝わってなかったのは謝るけど、なんで私の好みがそういう感じだと思ってんの?」

「……中学の時、綾坂センパイと付き合ってましたよね?あの人みたいなギャルっぽい子が好きなんじゃないんですか?」


綾坂ってギャルなのかなぁ?

陽キャだけど、ギャルとはまた違う気がするな

それは後で言うとして、先にこっちの方を訂正しないといけない


「綾坂とは本気で付き合ってないから」

「ほ、本気で付き合ってない!?ご、ゴミナギ!!」

「ち、違っ!今のは言葉の綾っ!」


騒ぎ過ぎて注目を集めたらしく、周りから視線を感じたので、みうをイルカショーの場所まで連れて行ってそこで真相を話した。


「それも告白じゃないですかぁ。好きだから恋人のフリしてって言ったんですよ」

「そ、それは無いと思うよ」


否定はしたが、なんだかそんな気がしてきた。

あの時に女に興味ないって答えたのは、綾坂の心をかなり深く傷付けたのかもしれない


「おーい」

「なに?」

「デートなんだから他の女のこと考えてちゃダメですよぅ」


みうに手を引っ張られて前のベンチに座らさられる。

イルカショーの最前列だ


「ここだと水かかっちゃうよ?」

「そうゆー気分なんです。付き合って下さい」

「……良いよ。付き合う」

「え、カップル成立?」

「今のはそういう付き合うじゃなかったじゃん」


そうゆー気分とか言ってた癖にみうは水しぶきを私の身体でガードしたので、私だけが水浸しになった。

……なにこれ?告白に気付かなかった仕返しのつもり?


「なんか臭いんだけど」

「それよりも気にすることがありますよー」

「なに?」

「ブラめっちゃ透けてるっす」

「きゃあ!?」


初めて自分からみうに抱きつく

最悪なんですけど!?

このままじゃ帰れないよ!


「うわっ、マジで臭いっすね」

「なんでこういう時に限って嫌がるんだよ!?」

「離れてもらえませんか?」

「やーだ!離れない!このままずっとこうしてる!」

「そんな情熱的に愛されてるとは思いませんでした」

「そーゆーのーじゃなぁいいいッ!!!」


そのまま社交ダンスみたいにみうに抱きついたまま売店でクラゲのTシャツを買って着替えて帰った。

売店の人の視線が凄くキツかった。

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