カップリングを作るお姉ちゃん
ゴールデンウィーク初日、家に呼び出した麗奈先輩を私と綾坂が抱きしめる。
「ちゃんとこっち見て下さいヨー」
「特訓なので頑張って耐えて下さい」
「ちょ、ちょっと待ちなさい」
耐えきれなくなったのか、麗奈先輩は私達を両手で押して引き剥がした。
「二人がかりで来なくたって良いじゃない。本番は愛花一人だけなんだから」
「それは甘い考えですナー。本番よりキツい環境で練習してこそ試合でベストのパフォーマンスを発揮出来るんですヨー」
「綾坂の言う通りです。頑張って全国大会優勝しましょう」
「いつからボランティア部全国大会編になったのよ……」
再び麗奈先輩を抱いたが、二人で顔を寄せるとすぐに限界がきてまた離されてしまう
「もー!抵抗しないで下さいよ。ナギっち手錠とか持ってない?」
「持ってるワケないじゃん」
「ならロープとかない?縛りたい」
「梱包用のビニールテープならあるけど」
「それで良いから持ってきて」
ビニールテープを下から持って来て麗奈先輩を後ろ手に縛る。
腕力オバケなので結構キツめに縛った。
「一応、タオルも持ってきたけど目隠しもする?」
「なんの人質なのよ。見つめ合う特訓なんだから目隠ししたら意味ないじゃない」
「それはそうですね」
「目隠しは必要ないけど、蹴られたりしたら嫌だから足も縛っておいた方が良いカモ」
「本格的に人質じゃない……まさかとは思うけど、何かするつもりじゃないでしょうね?」
何かってなんだ?
銀行強盗の予行演習だと思われてる?
「ンー?麗奈先輩ってお気に入りの私達に何かされたくないノー?」
そう囁いてから綾坂が目を細めながら麗奈先輩のほっぺを指でツンツンしたので察した。
「そ、そんなつもりないから!そんなことするなら帰る!」
「帰るって言われてもここナギっちの家じゃん。もう帰ってるじゃん。てか冗談だから」
「冗談でも人にそういうこと言わないで欲しい……」
「なんで?」
「なんでって……」
「私が他の人とそういうことするの嫌なのカナ?」
「嫌かも」
「かもじゃなくてハッキリ言ってよ」
「綾坂のいじわる」
「何を見せられてるのよ……私が帰りたいくらいだわ」
気を取り直して、特訓を再開したところで、背後から殺気を感じたので振り返ると姉が凄まじい形相で立っていた。
口を開く間もなく、姉は麗奈先輩から私を引き剥がして、先輩に飛び掛かる。
「私の家で奈凪ちゃんに手を出すなんて良い度胸ね!」
「何を勘違いしてるのよ。縛られてるんだから手を出し様がないわ」
「そういう趣味なんでしょ!このヘンタイ!」
「それも誤解だし、妹に欲情している貴女には言われたくないわ」
「違う!欲情してるのは奈凪ちゃんの方!」
「なんでだよ」
近距離で口論してるのに麗奈先輩は全然平気そうだ
美人なら誰でもああなるワケではないらしい
言い争いを終えた姉は麗奈先輩と綾坂をくっつけて二人をビニールテープでぐるぐる巻きにした。
「ちょ、何やってんですか!?」
「これで良し」
「良かないわよ」
「このまま帰れ」
「無理だし!」
新しいカップリングを勝手に作るな
唯でさえボランティア部の相関図がごちゃごちゃになってんのにこれ以上増やされたらたまったもんじゃない
姉の乱入によってこの日の特訓は中止になってしまったので、別日にやろうとしたが、綾坂に用事が出来たりして結局やれずじまいになってしまった。
私と麗奈先輩だけで特訓するのは流石に恥ずかしいから無理だよ




