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知らない女の子に私は今日も100円で抱かれている~100円で抱かれる部~  作者: グナ


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星七視点:春の体育祭

卒業式。体育館の壇上でパシリ2号の姉から卒業証書を受け取り、自分の席に戻る途中で違和感に気付く

こういうのって生徒会長が渡すモンなの?

フツーは校長が渡すモンでしょ

……まぁなんでもいいけど


教室に戻り、クラスメイトと写真を撮る。

泣いてる子が何人か居るけど、そこまで感傷に浸る気持ちにはなれなかった。


悲しいといえば悲しいけどね

今日でJKブランドが消えるから再生数落ちそう


卒業証書の筒で肩を叩きながら廊下を歩く

目的地はボランティア部の部室。麗奈に「最後のお礼をするので寄って下さい」と言われていた。


女子高に入ったのは、自分のブランド力を上げる為で、ボランティア部に入ったのはフォロワー稼ぎの為


そんな打算的に選んだ選択だったが、まぁまぁ楽しかったかな

途中で出会った『お嬢様』を抱きしめながらそんなことを思う


「卒業おめでとうございます」

「ありがと」


部室に入ると麗奈が花束を渡してくれたのでそれを受け取ると、パシリ2号が困り果てた様子で謝ってきた。


「すみません。綾坂のヤツが見当たらなくて……連絡しても繋がらないんです」

「いいよ。写真撮ろっか?」


綾坂を抜いた部員全員で写真を撮ってから、個別でも撮ることになった。


「はい、頼まれてたの」

「わぁ、ありがとうございます」

「サインしとこっか?」

「んーそれはいいです」


愛花と写真を撮ってから、私が合格した女子大の赤本を渡した。

私は女子大のJDっていうブランドの為に女子大を受けたんだけどコイツは違う意図がありそう


「私の後釜は決まってんの?」

「まだですね」

「私の妹は?ルックス良いよ」

「妹がいるのは初耳ですね。春に入学するんですか?」

「まだ中二だから入るとしたら来年」

「それだと私はもう卒業してますね」


麗奈は少し残念そうな顔をして肩をすくめた。

まぁウチの妹は私と違って真面目だから女に抱かれる部には入らないか


「あの……色々すみませんでした」

「なにが?」

「スカート捲ったりくすぐったりしたことです」

「奈凪が後輩にそれされても怒らないなら許す」

「は、はい!なにされても怒りません!」


最後に写真を撮った奈凪の頭を撫でる。

綾坂と接していると彼女が私と奈凪の間で気持ちが揺れ動いていることに気付いたが、私は所謂『百合営業』をしていてガチじゃないから綾坂の気持ちには応えられない。

だから奈凪の背中を押したんだけど、それが叶わなかったのが少し心残りかな


「さてと……」


ボランティア部の部室を背にして呟いた。

もう一つ用事がある。多分めんどくさい用事が……


「おっそ」

「人気者だから歩く度にファンに捕まるからしょうがない」


指定されてた校舎裏に行くと、綾坂が眉間にシワを寄せながら待っていた。

用事ってのはコレ

キスしてからLINEしても返ってこなくなっていて、久しぶりにLINEが来たと思ったら「卒業式の日に校舎裏に来い」の一文のみだから恐らく私に恨み言を吐くつもりなのだろう


正直、キスなんかでこんなに怒るとは思ってなかった。

私も初めてだったけど、キスなんか減るモンじゃないし、配信中にやったワケでもないんだから無かったことにすれば良いと思う


「おねーさんに告白するのかな?卒業式の校舎裏で告白するなんてドラマチックだね」

「するワケねーだろ」


冗談でおどけたのだが、綾坂はツインテールを逆立ててながら更にこっちに寄ってきた。

流石に殴られるのは勘弁してもらいたい


一歩下がったが、綾坂の手が伸びてきて、人差し指を私の唇に当てられた。

意図を測りかねていると、少し背伸びした彼女に指越しのキスをされる。


「私が卒業したらぜったい……ぜぇーーーったい!取り返しに行くから!!」


上目遣いで睨んできた綾坂を無意識に抱きしめて本当のキスを返すと春の風が私達の周りを舞った。


「な、な、なんでまたキスすんのーーー!?」

「し、知らない!」


綾坂に背を向けて逃げだした。

後ろから追っかけて来てる気配がするので、更にスピードを上げる。

こんな火照った顔は見せられない


なにこの気持ち!?ちんちくりんで生意気なパシリの綾坂のことが好きになった?

サウナで身体を寄せられたり、部室でキスした時はこんな気持ちにならなかったけど、彼女からキスされるとなんかおかしくなって、どうしてもキスを返したくなった。

この私が!登録者数100万人の『天宮星七』が!ホントのキスじゃないおままごとみたいなキスでときめいてる!?

わ、私ってガチだった!?


「待てぇー!やっぱ今取り返す!二回分取り返すッ!!」

「ひ〜ん!」


綾坂が校門を出ても追っかけてくるので情けない声をあげながら逃げ続ける。


「止まれぇー!キスさせろぉ!」

「無理だからぁ!」


今そんなことされたらどうにかなってしまうので全力で走って逃げる。

「キスさせろ」と叫びながら追っかけてくるのでめちゃくちゃ恥ずかしい


このまま家まで着いて来る気?

卒業式が体育祭になるとか聞いてない!

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