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知らない女の子に私は今日も100円で抱かれている~100円で抱かれる部~  作者: グナ


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恐怖のバレンタイン

登校すると、昇降口の前で行列が出来ていたので戸惑いながらも列に加わる。

最前列になってとんでもないことに気付いた。


これ、私の下駄箱にチョコ入れる行列だ!!


今日は2月14日だった。

今まで縁がないイベントだったから忘れてた。

大量のチョコは当然、下駄箱に入りきらず、誰かが置いてくれた袋の中に詰め込まれている。


ぺこぺこしながら、袋を両手で持ち上げる。

教室のロッカーには入らないから、部室に持っていくしかない

あともう一個、袋あるから往復しないといけないな


重労働を終え、教室に入ると、机の上にもチョコが置いてあったのでカバンに入っている教科書を出して、チョコをカバンに入れる。


教科書を机の中に入れようとしたが、入らない

なんでだろうと思いながら机の中を覗き込むとチョコがぎっしり詰め込まれていた。


……ごめん

今からめちゃくちゃ反感買うようなこと言うから先に謝っとくね。


チョコが怖くなってきそうなんですけど!!


ほんとにごめんだけど、ここまで来ると嬉しさより怖さが勝るんよ。


始業式で綾坂が教室で私のカノジョアピールしてくれたおかげで、それが噂になって最近は告白が減ってたから油断してたよ。

密かに想ってくれてる人がこんなにいるなんて思ってなかった。


カバンの中に入りきらないので、とりあえず教室のロッカーに置こうとしたのだが、そこにもチョコが詰め込まれていたので恐れ慄く


……いじめじゃないよね?




放課後、みんなで私のチョコを囲む

下駄箱にあった分と教室にあった分を合わせると凄い数になった。


「……流石にここまでとは思ってなかったわ」

「ナギちゃんモテちらかしてるねぇ」

「言い方ァ!」


愛花先輩につっこんでから山積みになったチョコを改めて眺める。

これどうしよう……


「今日から少しずつで良いからちゃんと食べるのよ」

「……はい」


麗奈先輩に力無く返事する。

やっぱそうなるよね

全部食べ終える前に鼻血で出血死するか虫歯で歯が全部無くなりそう


「一度全部溶かして一つにしたらどうかなぁ?」

「その意味は!?」


結局、食べる量変わらないじゃん!

愛花先輩の提案を速攻で却下した。


「本命っぽいのから先に食べれば?」


綾坂の提案は良さそうだと思ったが、麗奈先輩が口を挟む


「痛みやすい手作りから先に食べなさい」


それはそうだ

一週間以内には食べきれないから痛みやすいのから食べるべきだ

本命と手作りは同じような気がするけどね


部員総出でチョコの仕分け作業が始まった。

時々、箱の見た目で手作りかそうでないかで議論が起きる。

私の前に置かれた今日食べる分のチョコの中から一つ手に取ってみると、なんだか違和感を感じた。


軽い


チョコってこんな軽かったっけ?

まるで何も入ってないみたいだけど


箱を開けると思った通りチョコは入っておらず、代わりにメモが入っていた。


……これあの女だろ


そのメモをポッケにしまって、部員に用事が出来たと告げてから席を立つ


無視することは出来ない

私が行かなかったら彼女はずっと待ち続けるからだ


メモには空き教室で待っていますと書かれていた。

こんなやり方をするのはこの女しかいない


「詩織さん」

「お待ちしておりました」


詩織さんは教室の隅に佇んでいた。

私が来ても少しも表情が変わらない

まるでここに来るのが初めから分かっているかのようで少しぞっとした。


「こんなこと止めてよ。私が詩織さんのチョコ開けなかったら気付かなかったよ」

「それはありえません。私達は運命の糸で結ばれているのですから」


運命なんかじゃない、あのチョコの箱は100円ショップで買えるような安物だった。

お金持ちの詩織さんが用意するような代物じゃない

つまり、彼女は私が痛みやすいモノから食べることを予想して手作りっぽく擬装した箱を用意したってこと


そう結論付けたが、その痛みやすいモノの中から詩織さんの箱を始めに取ったのも事実

クリスマスプレゼントの件も含めてなにかしら縁があるのは否定出来ない


「奈凪さんにお渡ししたいモノがあります」


近寄ってそれを受け取る。

箱の重さから今度はちゃんとしたチョコだと分かる。


「ありがとう」


お礼を言って帰ろうとしたら腕を取られた。

……うん、分かってたよ。タダじゃ帰れないよね

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