尊敬メーターゼロ
お母さんに袋をいっぱい貰って、何重にも重ねた袋の中に愛花先輩の下着を入れた。
我が家に袋コレクターの母親がいて助かった。
ドキドキしながら登校する。
向こうに居る婦警さんが急に私を呼び止めて持ち物検査したらどうしよ?
セクシーランジェリー罪で捕まるかもしれない
そういえば、今日は三日に一度の持ち物検査の日だった。
違反者は違反した物を持ちながら廊下で校歌を歌うんだけど、ちょっとでも声が小さいと竹刀で床をバシバシされて威嚇されるんだよね
……よく考えたらそんな制度なかったわ
無事学校に辿り着いて、下駄箱を開けると封筒が入っていた。
愛花先輩が私の下着を入れてくれたんだろうか?
いや、封筒には流石に入らないよな
中を見ると、放課後屋上で待ってますと書いてあった。
……なにこれ?
愛花先輩じゃないよな?
先輩だったらLINEしてくるハズ
てか、愛花先輩に交換場所指定しとかないとだ
あの様子だとボランティア部で渡してくるかもしれない
そうなったら麗奈先輩にめちゃくちゃ追求される。
手紙をカバンの中に入れて、教室で愛花先輩にLINEを打つと案の定「部室で交換しよ」って返ってきたので「例の空き教室にして下さい」と返信した。
部室でぱんつ交換しようとした愚行は置いといて、やっぱ手紙の差出人は愛花先輩じゃないっぽいな
だったら誰なんだろう?
最近、各部活を回ってカウントを稼いでるから、それが誰かの癪に触った?
ボコられる?
今から腹筋して鍛えるか?
いや、間に合わん
そんなことばっかり考えてたらあっという間にお昼休みになった。
とりあえず一つずつ問題を解決しよう
例の空き教室に行くと、愛花先輩はまだ居なかったから土下座の練習をする。
「調子乗ってすみませんでした」
なんか気持ちが籠ってないな
「調子乗ってすんませんでしたァァァ!!」
……銀魂みたいだな
「奈凪ちゃん何してるの?」
頭を上げると愛花先輩が居た。
不思議そうな顔をしているけど、本当のことを言ったら巻き込んでしまうかもしれないから髪留めを触りながら嘘をついた。
「調子乗ってすみません教に入ったんです」
「わぁ、非課税だねぇ」
よく分からない返答をした愛花先輩に袋を渡す。
「これなぁに?」
「昨日取り違えた下着ですよ。恥ずかしいから違う袋に入れたんです」
「……悪戯した?」
「してません」
「ふーん、そうなんだぁ」
何故か疑いの眼差しを向けてくる。
私が愛花先輩の下着にペンで落書きしたとでも思ってるのだろうか?
愛花先輩が私に下着を渡す番になったんだけど、そこで彼女が何も持っていないことに気づいた。
「忘れたんですか?」
「履いてるよ」
「ええっ!?」
愛花先輩はスカートの端を持ってギリギリ見えない程度にひらひらさせる。
じゃあもうお前のでいーよ!
「脱がせて?」
「なに言ってんですか」
「本気だよ?」
「もういらないです」
痴女を置いて帰ろうとすると背後から泣き声が聞こえてきた。
「うえーーーん!」
振り返ると愛花先輩が目を抑えながら泣いていた。
暫く冷めた目で眺めていると、指の隙間からチラッとこちらの様子を窺うのが見えたのでかなりウザい気持ちになった。
「泣きマネじゃないですか!」
「奈凪ちゃんが私が履いたぱんつ汚いって言ったぁ!」
「そんなこと言ってない!」
あーもう!
私の周りってめんどくさい女が多すぎる!!
「絶対動かないで下さいよ」
念を押してから、なるべく肌に触れないようにして恐る恐る下ろすと、真っ赤なショーツが膝で止まった。
私のぱんつじゃないじゃん!?
なんなのこの人?
「ハズレでしたー」
顔の目の前でひらひらされたのでスカートを抑える。
この状況でそれやるんじゃない!
「ホントに帰りますからね」
「ごめんごめん」
愛花先輩は舌を出して謝った後、自分でショーツを戻して、端に置いたあった机の中から袋を出したきたので、一応中を確認してみると確かに昨日私が選んだ下着が入ってた。
私が土下座している間に机の中に入れたんだな
愛花先輩こそ悪戯っ子じゃん
「奈凪ちゃんにいっぱい可愛がってもらえるようにたっくさんちゅーしといたよ」
「は?キモいんですけど」
「冗談だよぉ」
「マジで引いた」
過去を聞いた時は同情したが、今の発言にはドン引きした。
愛花先輩には今後、おざなりな対応になります
私、一回この人に惚れたんだよな……
麗奈先輩とちゃんと仲直りするようにと言うと「奈凪ちゃんもついてて欲しい」と返されたが断った。
放課後はボコられる予定があるんだ




