わるいおねえさん
「あ、今日、塾あるんでした」
「塾なんて行ってないよね?」
掴まれていた腕をぐいっと引っ張られて連れ込まれそうになったから動物病院前の柴犬のように踏ん張って耐える、
こ、怖い!
お家帰ってミルク飲みたいよ〜
「奈凪ちゃんから誘ってきたんだよ?」
「誘ってませんけど!」
「二人きりになりたいって言ったよね?」
「噛むのはここじゃなくて良いじゃないですか!カラオケとかに行きましょうよ!」
「カラオケは監視カメラあるよ。一回怒られたから知ってるんだ」
カラオケでなにしたんだよ!?
こんな大人のお姉さんとラブホなんて入ったら絶対無事でいられない
「じゃあせめて愛花先輩の家にしましょうよ。ここからだと先輩の家の方が近いですよね?」
「私の家、女の子連れ込むの禁止なんだ」
「なんでですか!?」
「えへへー」
親にもバレてるのかよ
同性呼ぶの禁止とか聞いた時ない
「なにもしないから大丈夫だよ」
信じられねーよ!
女の子食べちゃう悪いお姉さんってこと知ってんだからね!!
「……しょうがないなぁ」
抵抗を続けていたら、腕を掴まれていた力が少し弱くなったのでほっとしたら、シャッター音が鳴った。
「証拠写真撮っちゃった」
「へっ?」
愛花先輩のスマホを見ると、ラブホの前で身を寄せている私と先輩の姿が映っていた。
「どうする?このまま帰る?」
「帰ったらどうなります?」
「月曜日、学校中にこの写真が貼られてるかもね」
「……貴女って最低ですね」
「ふふっ、やっと本心出してくれて嬉しいな」
ラブホに渋々入ると、愛花先輩は慣れた様子で照明と空調を調整した。
来たことあるのかな?あるんだろうな……
部屋の中は思ったよりえっちな雰囲気じゃない
どちらかと言うとお洒落な感じで、思ってたイメージと違う
「折角だから見せ合いっこしようよ」
愛花先輩が袋からさっき買った下着を取り出した。
見せ合いっこって言うのは下着姿を見せ合うって意味なんだろうな
「嫌ですよ」
「じゃあ私だけ見せてあげる」
愛花先輩は袋を持って脱衣所に入る。
ベットの上に置きっぱなしのスマホに目がいったが、流石に他人のスマホを操作するのは悪いと感じ思い直す。
「ひっ!?」
テレビを付けると、えっちな映像が画面いっぱいに出てきたので慌てて目を逸らすと、ベットの傍に置いてあったコンドームが目に入った。
にゃんにゃのここー!?
もうやだぁ!!
「お待たせー」
愛花先輩が出てくる直前にノールックでテレビを消した。
下着姿で出てくることを覚悟したが、彼女は服を着ている。
「残念そうな顔してるね?」
「してませんけど」
「ちゃんと見せてあげるから心配しないで」
そう言いながらベットに入った愛花先輩は私に向けておいでと手を広げてきたので察する。
私に脱がせるつもりなんだ
「……奈凪ちゃんきて」
「大丈夫なんですか?」
「部屋暗くすれば大丈夫だよ」
前回は空き教室でタオルを使って愛花先輩を目隠しして、手首も縛った。
今回は暗くするだけで大丈夫なんだろうか?
しかもここラブホテルだし
長らく噛まれてないから正常な判断が出来てない気がするな
愛花先輩が獲物を待つ蜘蛛に見える。
「噛んでくれないの?」
「噛みますけど……」
「信じて欲しいな」
「さっきあんなことしておいてよくそんなこと言えますね」
「あれは、周りの人に変な目で見られたからだよ」
愛花先輩は起き上がってスマホを手に取って私に画面を見せながら画像を消してくれた。
ラブホの前で騒いで注目を集めたから機転を効かせたってことかな?
……そもそもラブホに誘わなければ良いのでは?
一瞬納得しそうになったけど、やっぱり愛花先輩は悪いお姉さんだ
「お泊まりにするの?」
「えっ?」
さっさとしないと泊まりになっちゃうの?
どういうシステムか分からないから不安になる。
「私はお泊まりでもいいよ」
良くねーよ!
朝帰りなんてしたら家族会議になってしまう
いや、家族会議はまだ良いよ。もっと嫌なのは姉妹会議だ
「……絶対に何もしないで下さいよね」
「始めからそのつもりだよ」
もし、時間が経つと出れなくなって強制宿泊になるシステムだったら、タオルで縛る時間は無い
溜息をついてから部屋の明かりを消すと、暗闇から愛花先輩の呑気な声が聞こえてきた。
「真っ暗だと下着見えないよ?」
「見せなくていいです」
「なんだか初めてえっちした日を思い出すなぁ」
思いっきり嫌な顔をしてから部屋の明かりを少し点けると悪戯っぽく笑う愛花先輩の顔が見えた。
だいぶ時間をロスしている。
これ以上、愛花先輩のペースに付き合ってる暇はないので、素早く彼女に跨って服を脱がしにかかった。
なんでタートルネック着てんだよ!
始めから噛むって分かってんだからボタンが付いた服着て来いよ
それなら首筋だけ出して噛めたじゃん
もしや作戦だった?
最初からラブホに連れ込むつもりだった?
心の中で悪態を吐きながらタートルネックを捲ると、さっき買ったブラが解放されたように現れた
……迫力を感じる。威圧感と言っても良いのかもしれない
こんなにおっきいおっぱいを間近で見たの初めてだ
なんか薄暗い方がえっちに見えるのは気のせいだろうか?
また騙された?
「どうかな?」
「……脱がせないんで腕上げて下さい」
「奈凪ちゃん」
「なんですか?」
「おっぱい揉んでみる?」
「……揉みません。さっさと腕上げて下さい」
私の態度に愛花先輩は少し膨れてから腕を上げたので、服を脱がして傍に置くと、静電気で少し乱れた髪をした彼女と目が合った。
「きて……」
首筋を強めに噛むと、愛花先輩の息が漏れた。
位置をずらしてもう一度噛むと背中に腕を回されたので、ルール違反だと感じて噛むのを止めた。
「もっと噛んでよぉ」
「何もしないって言いましたよね?」
「くっつくだけ!独りじゃ怖いの!」
嘆願するようにせがまれたので諦めて行為に戻る。
噛む度に愛花先輩は女の子の名前を呼んで謝罪を口にしていたが、やがてそれは止んだ
そのまま暫く続けていると愛花先輩がモゾモゾ動いたので、終わったと思い、身体を浮かすとその隙に太腿を股で挟まれる。
「えっ?ちょっ!?」
愛花先輩の腰が上下に動いたので驚愕した。
擦られてる。私の身体を使われてる。
「や、やめて下さい」
返事の代わりに微かな艶かしい声が脳内に響く
抵抗しようとして、太腿を愛花先輩のソコから離そうと動かしたが、それが却って刺激する結果になってしまう。
今度ははっきりと喘ぎ声が聴こえた。
下に視線を向けると愛花先輩のスカートは完全に捲れ上がっていて、下着が太腿に押し付けられている様子が見えた。
新品の下着のハズなのにとてもそうは見えない
これって私の身体を使ったオナニーじゃん
生々しい光景に耐えられなくなって、視線を愛花先輩の顔に移すと、先輩は場違いな笑みを浮かべていた。
指を噛んだ時みたいなぼんやりとした顔じゃなくて、はっきりと意識がある顔だ
「……もう平気になってますよね?」
「あはっ!バレちゃった」
軽蔑的な表情を向けてから熱くなった太腿を引き抜き、愛花先輩のスカートを整える。
「何もしない。くっつくだけって言ったじゃないですか」
「うん。くっつけただけだよー」
「……最低」
「あのさ……」
「何ですか?もう何もしませんよ」
「不完全燃焼なんだよね」
「じゃあ自分でして下さい」
「わかった」
スカートの中に伸びようとした手を掴んで止める。
信じらんない!この痴女!
「奈凪ちゃんが自分でしろって命令したんだよ?」
「ここでしろなんて言ってません!」
「折角だから一緒にしない?見せ合いっこ」
「しません。そういうことしないんで」
「ほんとかなぁ?」
「信じられないならそれで良いです」
もう一度、軽蔑的な表情をした後にベットから降りようとすると腕を掴まれたので、本気で怒ろうかと思ったが愛花先輩の顔を見るとそういう意味ではないことに気づいた。
「ごめん。もうちょっとだけ抱きしめて欲しいな」
「……仕方ないですね」
溜息を付いてから横になってお互いに抱き合う
さっきみたいなえっちな雰囲気じゃない
今の愛花先輩の匂いは安心出来る香りだ
「今日は楽しかった」
「私もです」
「本音で喋ってよ」
「……ラブホに連れ込んだりするのは止めて下さい」
「ごめんね。嫌いになったかな?」
「嫌いにはなってませんよ」
「それって本音?」
「そうです」
「良かった」と呟いてから私の髪を撫でて、頬も撫でようとしてきたので思わず声が出る。
「そこは止めて下さい」
「あ、ごめん」
愛花先輩はちょっと気まずくなった空気を振り払うようにさっと服を着て、洗面所で身だしなみを整え始めた。
私はどうして頬を触られるの嫌がったんだろ?
本音が出た?
愛花先輩と一緒にラブホを出る。
入る時は、焦ってて気にならなかったけど、今は周りの人の視線が気になるから彼女に顔を出来るだけ寄せて隠れた。
これだとめちゃくちゃラブラブに見えるからどっちにしろ詰んでる。
「今日は本当にありがと。奈凪ちゃんから噛んでくれるってLINEが来た時はすっごく嬉しかった」
「いえいえ、こちらこそ」
「なにかしたっけ?」
「下着奢ってくれたじゃないですか」
「あ、そうだった。今度見せてね」
「ええ!?」
「ふふっ、楽しみにしてるよ」
電車の方向が逆だから駅で別れた。
家に帰ってきたら真っ先に姉が走り寄ってきてクンクン嗅いできた。
犬かよ
部屋に入って服の中に隠してた下着が入った袋を出す。
姉に見つかったらめんどくさいことになりそうだから隠してた。
これどうしよっかな?
そもそも本当に似合うんだろうか?
一度付けてみようと思って袋から出すと、黒くて布面積が少ない下着が出てきた。
……これ私のじゃない
愛花先輩のやつじゃん!!
慌てて下着を袋に入れたが事実は変わらない
同じランジェリーショップの袋だからラブホで取り違えたみたい
しかもこれ脱がした時に着てなかったから元々愛花先輩が着てたやつだ
LINEしたら「学校で交換しようよ」と返ってきた。
なんでそんな冷静なんだよ!?
私だったら飛んで行って回収するけどな
これ学校に持ってくのやだよ〜




