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下剋上

星七先輩は一週間後に来た。

次いつ来るか分からないから今日『お姉さま』か確認するべきなんだけど、先輩に声をかけられない


楽しそうにファッションについて語り合っている星七先輩と綾坂を眺める。

二人は夏休みに一緒に遊んだらしい

順調に仲を深めてるなと思う


次に星七先輩に会ったら確かめようと思っていたが、二人を見ているとそんな気持ちは揺らいだ

百合の間に挟まれない

以前の私だったら遠慮していなかったであろう


でも今は違う、綾坂とは中学の時にちょっと疎遠になったけど、ボランティア部に入ってからは疎遠になる前以上に仲良くなっている。


親友の綾坂を曇らせたくない

恋愛と友情だったら迷わず恋愛を選ぶけど、恋愛と綾坂だったら迷わず綾坂を選ぶ


星七先輩に声をかけられない理由はもう一つある

それは先輩が『お姉さま』だったとしても私はいきなり好きにならないという点だ


お前、麗奈先輩や愛花先輩を『お姉さま』だと勘違いしていきなり好きになったじゃねーかと言われそうだが、その時と違ってぶっちゃけ気になる人がいるんだよね


星七先輩は面倒見が良いし、後輩にイジられても本気で怒ったりしない、本人は否定するだろうけど、夏祭りで泣いてる子供を助けるといった行動を損得抜きで行える尊敬出来る人間だ


でも恋愛的に気になるかと言われたらそうでもないような

抱き合って『お姉さま』だと分かれば違ってくるのだろうか?

そもそも恋愛ってなんだ?


哲学的な思考に推移したところで、二人がこっちを見ながらニヤニヤしているのに気づいた


「なに?」

「ナギっちってまだお姉ちゃん離れしてネーノ?」

「ほ、星七先輩!言わないでって言ったじゃないですか!!」

「うん、とは言ってない」

「詭弁だぁ」

「ねーねーちょっと駄々こねてみて、私も甘えんぼナギっち見たい」

「やらねーし!」

「麗奈もたまに甘えんぼになるよね」


愛花先輩の衝撃発言に麗奈先輩はブーっと紅茶を吹き出した。

久しぶりだな


「えー甘えんぼ麗奈先輩も見たぁーい」

「ウケる」

「たまに気が緩むだけよ!あとウケるってどういうことですか星七先輩!!」

「愛花先輩、具体的にどんな感じなんですか?」

「えっとねぇ」

「答えなくていいから!」


その後も愛花先輩に質問したが、全部麗奈先輩にブロックされる。

星七先輩は飽きたのか配信を始め出した。


「半ズボン男爵さんスパチャありがとー後輩ちゃん達は相変わらずおねーさんを取り合ってるよ」


取り合ってねー!

……今のところは


「パシリ1号と2号、こっち来て」


配信を終えた星七先輩に呼ばれたので、近くに寄る。

またなんか命令されるんだろうか?


「なんですか?」

「二人で私の頬にキスして」

「「は?」」


私と綾坂は同時に固まった。

いくらなんでも先輩権限を超えている

どうしてもやるなら綾坂だけの方が色々と良いと思う


「なんでそんなことしないといけネーノ?」

「リスナーがまた後輩ちゃん見たいっと言うから」

「綾坂と二人でやった方が絵になると思いますよ」

「はぁ!?ナギっち裏切るなよ!」

「二人でやらなきゃ取り合ってる感じでないから却下」

「そもそもキスする必要はないのでは?普通に三人で並んで撮りましょうよ」

「それだと刺激が足りないからバズらない」


視線で麗奈先輩に助けを求めたが、さっきイジり過ぎたせいかツーンとされてしまった。

裁定に私情を持ち込むなよ


愛花先輩はひたすらニコニコしている

どうやらこの状況を楽しんでいるようだ

だめだ、先輩たちは頼りにならない


「ほら早く」


星七先輩に催促されたので、私と綾坂は先輩の両隣りに立って渋々キスをする。

器用に自撮りで撮影した先輩は慣れた様子で編集して投稿した。


「あ、勘違いしないで。これ所謂、百合営業ってやつだから本気になられても困る」

「「は?」」


星七先輩のライン超え発言に私と綾坂は顔を見合わせた。

綾坂の視線が上下上下右左ABと動く

……あれをやるのか

私達、幼馴染が小学校の時にいじめっ子を撃退したあの技を


椅子に座っている星七先輩の両肩をがっしり掴む

綾坂は机の下に潜り込んで先輩の靴を脱がしにかかった。


「なにしてんの?キモいんだけど」


星七先輩が文句を言ったが、綾坂は先輩の靴を脱がし終わった。

準備完了だ


星七先輩の肩に置いてあった手を脇の下に滑り込ませてくすぐる

綾坂も足の裏をくすぐった。


「ひっ、ひっ、ひぃーっ!?」

「勘違いしてるのはお前だろ!」

「うっわまた白履いてる」


星七先輩は椅子から転げ落ちたが、尚もくすぐる

暫く続けていたが、麗奈先輩に「それくらいにしときなさい」と言われたので止めると、星七先輩は荒い息を吐きながら「ちょっと漏れた」と呟いた。


「オラァ!ダブルピースしろぉ!」

「笑顔で!」

「ふえ〜ん!」


星七先輩の両頬を二人で引っ張りながらショート動画を撮る。


「さ、先程の投稿はウソでしたぁ、おねーさん、ホントは後輩様にオモチャにされてますぅぅっ〜今からたっぷり可愛がってもらいますぅっ〜」


愛花先輩が用意してくれたセリフを喋らせて撮影を終える。

星七先輩の投稿は今までにないバズり方をしたらしい


この人が『お姉さま』だったらどうしよ……

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