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キャラ設定には厳しくあるべき

新学期に入って一発目の部活

開店待ちしてくれてた詩織さんとソファの上で会話もそこそこに抱き合う


詩織さんは私のほっぺをしきりに触った。

その行為の意味を私と彼女だけが知っている

自分の所有権を主張しているんだ


アラームが鳴り、詩織さんを入り口まで見送って軽く手を振ると、急に廊下に引っ張られてキスされた。


「し、詩織さん……」

「私のものにキスしただけです」

「だからってこんな所でしなくても」

「ここはソファでは無いです」

「詭弁だぁ」


詩織さんは私の抗議を無視して、代わりに手を小さく振ってから去って行った。

ソファではキスしないと約束したが、彼女はソファ以外ではキスしても良いと解釈したらしい

訂正したかったが、あまり長く居ると他の部員に怪しまれるので、少し熱を帯びたほっぺを摩りながら部室に戻った。


席に戻って詩織さんの海外旅行のお土産のクッキーを開けてみんなに分ける

星七先輩は居ないので、彼女の席に置いた。

居たら『お姉さま』かどうか確認するつもりだったんだけどな


部室の扉が開いたので、そっちを見ると黒い布を羽織った人が立っていた。

ボランティア部全員がクッキーを咥えながら固まる。

なんか仮面付けてる。あれだ、教科書の挿絵で見たヤツ、なんだっけ?あ、ペストマスクだ


麗奈先輩が動いてペストマスクちゃんを外に押し出したかと思ったが、すぐに一緒に戻ってきた。


「生徒会の内偵かと思ったけど違うみたいね」


あんな目立つ格好でスパイしないだろと麗奈先輩につっこもうとしたが、その前にペストマスクちゃんが缶にチャリンと100円を入れたので気が削がれた。

え、『お嬢様』?


ペストマスクちゃんは私達をじっくり見回した後、私を真っ直ぐに指差した。

咥えていたクッキーがぽとりと落ちる。


綾坂が私の前に身を乗り出してくれたが、麗奈先輩に「責任を全うなさい」と言われてペストマスクちゃんの前に引き出された。


「は、初めまして、夜凪奈凪です」

「どうもどうも」


引きつった笑顔で挨拶すると以外と可愛い声が返ってきたので少し安心する。


カーテンの中に入ってソファに座り、紅茶を淹れてあげる。

どうやって飲むのだろうと思っていると、ペストマスクちゃんは紅茶のカップにマスクの長いクチバシを突っ込んで「うまいうまい」と言った。


ねぇこれってつっこむところなの?


もう帰って寝て全て無かったことにしたかったが、ここで逃げると麗奈先輩に怒られそうなので接客を続けることにした。


とりあえず初めてっぽいから『禁忌』が記されている紙を見せながらルールを説明する。


「ふむふむ参考になりますな」

「参考?」

「申し遅れましたが、我はオカルト研究部の者でしてな。そこで我々もイケニ……げふんげふん、お客を集めて儀式……では無くてサービスをしたいと思って見学に来たのですよ」


立ち上がってカーテンを開けて叫ぶ


「他店の偵察です!」


私を助けようとした綾坂を羽交い締めにした麗奈先輩に「問題ない」とにべもなく突き返されてしまったので仕方なくソファに戻った。


「つかぬことをお伺いしますが、奈凪殿はオカルトに興味ありますかな?」

「うーん、宇宙人とか幽霊は信じてるタイプですかね」

「素晴らしい、是非とも我がオカ研に来て欲しい人材だ。是非とも我々と血盟を結んで頂きたい。今なら特注でマスクをご用意しますぞ」


立ち上がってカーテンを開けて叫ぶ


「勧誘されてます!」


綾坂を羽交い締めにした麗奈先輩にまた「問題ない」と言われてしまった。

綾坂が締められたままぐったりしてるんだけど、落としたの?ねぇ落としたの?


「あの……忙しいので部を掛け持ちするのはちょっと……」

「ふむ、それは致し方ない」


アラームをチラッと見るとまだ五分くらいしか経ってなかったが、このまま会話してると頭がバグりそうなので抱きしめることにする。


「おっほ、これは中々良いですな。邪なパトスが溢れてくるようだ。いやいや、抱擁するだけだと侮っておりましたが、なかなかどうして。オカ研の同志にも是非とも体験して頂きたいものですな。うぉっほ、奈凪殿のシンパシーを感じてきましたぞ。このままだと私と融合するかもしれませんな。なぁに心配には及びませんぞ。我々は融合を解除する反転呪術を有しておりますので、もし融合してしまっても解除する術はいくらでもありますぞ。おっほ、気持ちいいっ」


めちゃくちゃ喋るなこの人!?


抱きしめてる時にこんな喋る『お嬢様』初めてだよ

あと私、聴き逃さなかったからな

途中で自分のこと『我』じゃなくて『私』って呼んだだろ、キャラ設定ちゃんとしろ


長く感じた抱擁が終わり、ペストマスクちゃんを出口まで見送る


「至福の時でしたぞ」

「それは良かったです」

「オカ研でも始めたら是非ともお越し頂きたい」

「考えときます」


ペストマスクちゃんは黒装束を翻して帰って行く

もちろん彼女は『お姉さま』じゃなかった。

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