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白い砂浜、青い水平線

当日、リムジンが来た。

お父さんの車の車種も知らない私でも知ってる車だ

執事っぽい人が車のドアを開けて待っている。

どうやら詩織さん家の財力はスネ夫レベルを凌駕しているらしい

ドレスコードとか必要だったんじゃないのか?

今の私の服装って胸に『箱根』って書いてあるTシャツなんだけど


レッドカーペットでも敷かれたら近所で噂になるので早足で乗り込むと、中には既にボランティア部全員が揃っていた。全員に表情が無い

囚人護送車かよ




到着、麗奈先輩がリムジンに置いてあった炭酸水をがぶ飲みした挙句にトイレ行きたいとか言い出すから予定より遅れた。


「箱根がお好きなのですか?箱根にも別荘があるので次は二人で行きましょう」

「う、うん。考えとく」


前日入りして用意してくれていたらしい詩織さんに出迎えられる。

Tシャツの文字は読まないで欲しい


別荘に入ると、それぞれの部屋に通された。

姉も安心、一人部屋だ

そこに荷物を置いてから水着に着替える。


ビーチに降りると先に着替えていた綾坂が波打ち際で足をパシャパシャしているのが見えた。

胸がないと着替えるの早いんかな?


そう思ってると、私を見つけた綾坂がフリスビーを取って戻ってくる仔犬のように駆けてくる。


「ナギっちの水着可愛すぎない?」

「そ、そうかな?」


上から下まで眺められて、思わず身体を手で隠す。


「水着の写真送ってって言っても送ってくれないから、どんな大胆な水着なんだろ?って思ってた」

「大胆な水着なんて私が似合うはずないじゃん」

「そうかナー?でもそれも似合ってるよ」

「……ありがと」

「私はどう?」


綾坂はくるっと一周回って、あざといポーズを決めてくる。


「可愛いけど……」

「けど?」

「水着姿の写真、いっぱい送ってきたから新鮮味がない」

「このやろ!」

「ごふっ!」


脛を蹴られて悶絶しながら白い砂浜に倒れ込んだ


「奈凪ちゃん、何してるの?」


愛花先輩に声をかけられる。

気づけば全員集合していた。全員に見下ろされてるのが恥ずかしい


「水揚げされたノドグロのマネらしいデース」

「わぁ、高級魚だねぇ」


愛花先輩につっこみたかったが、そんな余裕はない

脛を気にしながら産まれたてのヤギのようにヨロヨロと立ち上がる。


改めて皆の水着姿が視界に入る。

一名を除いてみんな素敵だ

その除かれた一名に低い声で問いかける。


「なんですかそれ?やる気あるんすか?」

「うっさいわね。まだ着れるし、問題ないわ」


除かれた一名というのは私ではなく、麗奈先輩のことだ

彼女は胸に名字が入ったスクール水着を着ていた。

ウチの高校で水泳の授業はないから、恐らく中学の時のものだ

箱根Tシャツの私でさえその選択肢は選ばなかったのに


「うーむ、詩織、愛花先輩、星七先輩、麗奈先輩、ナギっちの順ですカナー」

「なんの順番だよ。一番最後の綾坂が抜けてるぞ」

「なんの順番か分かってんジャン!」


自分で言い出した癖に蹴ってこようとした綾坂から逃げて海に入る。

綾坂が追いかけてきて水をバシャバシャかけてきたので、やり返すと星七先輩が「後輩ちゃん達がおねーさんを取り合って喧嘩しちゃいました」と、ビデオカメラを回し出した。

顔映ってないだろな?


一段落したので、本格的に海に入ろうと浮き輪を膨らまそうとしたが、中々空気が入らない

筋肉だけじゃなく、肺活量もよわよわらしい

空気入れを持ってくれば良かった。


見かねた麗奈先輩が「そんなんじゃ日が暮れるわよ」と言って膨らませてくれた。

間接キスなんだけど嫌じゃないんだろうか?


海で波に揺られながらビーチボールをしているみんなを眺める。

改めてボランティア部に入って良かったなと思う

詩織さんとも出会えることが出来た。


中学の時は休みの日に遊びに行く人は綾坂しかいなかった。高校でもそんな感じなんだろうと思ってたし、それでも構わなかった。


今の私は違う

みんながいない生活は考えられない

心が弱くなったんじゃない、むしろ強くなったんだ

傷つくのが怖くて自ら孤独を選んでごぼぼぼぼ


「ナギっちもバレーやろーよ」

「今、感傷に浸ってたんだけど」

「そんなのわざわざ海でやらなくたって良いじゃん。遊ぼうヨー」

「人は母なる海を見ると感傷的になるものなんだよ。綾坂くんにはまだ早いかごぼぼぼぼ」


また沈められたので、陸に上がってビーチバレーに参加する

麗奈先輩のスパイクが掠って髪が何本か抜け落ちた。


お昼は浜辺でバーベキューした。

詩織さんのお付きの人が焼いてくれようとしたけど、折角だから私達で焼くことにした。

私達って言うか主に愛花先輩と詩織さんが焼いてくれた。

胸があると女子力高くなるんかな?


素人で調理したものだけど、高級食材を使ってるせいかとても美味しかった。

日頃は好き嫌いが多い星七先輩も満足そうだ




夕方になってそろそろ別荘に戻ろうかと思ったが、綾坂と詩織さんの姿が無いことに気づく

あの二人の組み合わせで隠れてイチャイチャしてるとは思えない

先に別荘に戻ってるなら良いけど、海で遭難してたりしたら大変だ


顔面蒼白になった所で、二人が岩陰から出てきたのでほっとする。

綾坂はムスッとしてるけど、詩織さんは朗らかな顔をしているので喧嘩してたわけではなさそう


「何してたの?」

「べっつにー」

「離れるなら一言言いなさい」


麗奈先輩が注意してその場は終わった。

気になるな


全員集まった所で脱衣所に向かう

別荘の規模から予想は出来ていたが、そこは温泉の脱衣所並みに広い

姉号泣のお風呂タイムだ

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