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お姉ちゃんとお姉さま

夏休み突入

期末試験の結果は忘れて遊ぶぞー!


水着は用意した。

綾坂に一緒に買いに行こうと誘われたが断った。

優柔不断だから迷惑かけてしまうし、水着の好みを知られるのはなんとなく恥ずかしい

本番で見られるとしてもだ


綾坂は結局、星七先輩と買いに行ったらしい

二人の仲がちょっと進展してると良いな

星七先輩が『私を好きな後輩ちゃんの水着を選んでみた』とかタイトルを口走ってたから変な動画を上げないか心配だけど


それ以外の心配は……


「奈凪ちゃん、ちょっと良いかな?」


これだ


ドア越しの声に反応して自室のドアを開けると、案の定、姉が神妙な顔をして立っていた。


「なに?」

「奈凪ちゃんの水着これはどうかな?」


差し出されたスマホの画面を見るとウェットスーツが映っていた。

こ、これはない!!

シュノーケリングする予定は無いし、肌を出すのは恥ずかしいけど、みんながお洒落な水着の中、自分だけウェットスーツは逆に恥ずかしい


「もう買ってあるから」

「え、一緒に買いに行きたかったな」

「お姉ちゃんと一緒に水着買いにいくのは恥ずかしいよ」

「そっか……じゃあどんな水着買ったの?見せて欲しいな」


見せたくないが、見せるまで毎日部屋に来そうなので渋々包みを開けて見せる。


「……これちょっと大人っぽくないかな?」


私が選んだのはお腹が見えないワンピース型の水着だ

『大人っぽい』を露出が多いことと定義するならそれは当てはまらない


「大人っぽくない、これで良い。もう出てってよ」


姉を部屋から出そうとするが、彼女は踏みとどまった。

前から思ってたけど、私って力無くない?一応元運動部なんだけど……

女に抱かれてると筋肉なくなるのか?


「女の子同士でお泊まりはまだ早いんじゃないかな?」

「早くない、もう高校生だし。いつまでも子供扱いしないでよ」

「子供じゃないから心配してるの」


男女で泊まるようなノリで心配してきた。

女同士で泊まることに反対された女子高生は私が世界初だと思う

まぁ女に抱かれる部活のメンバーで抱かれてる女の家に泊まるからあながち間違いでは無いのだけど


というか、姉の恋愛対象は女性なのか?

だからナチュラルにそういう思考になる?


「お泊まりじゃなくて、日帰りに出来ないかな?」

「そんなの今更出来るワケないじゃん」

「奈凪ちゃんだけ帰ってくるのは?」

「それも出来ない」


しつこい、今日だけじゃなく何回もこんなやり取りをやってる。


「じゃあお姉ちゃんも行く」

「やだ。姉同伴とか恥ずかし過ぎるし、お姉ちゃんは詩織さんと面識ないでしょ」

「そうだけど……」


もう一度、姉を押したがびくりともしない

今日は特にしつこいな


「部屋は一人部屋なの?」

「そこまでは知らない。泊めてもらうんだからそこまでワガママ言えないよ」

「お風呂はみんなで入るの?」

「いい加減にしてよ!お姉ちゃんと違ってみんなはそんなふうに見てこないから!!」


その一言で、姉は涙を浮かべながら背後を向いた。

またやってしまった。また姉妹の『禁忌』に触れてしまった。

後悔の念が押し寄せる


ここで出て行かれたらまた元の関係に戻ってしまうと感じ、姉の服をちょこんと摘む


「……お姉ちゃんごめん。言っちゃいけないこと言った」

「奈凪ちゃん……ううん。お姉ちゃんが悪いの。楽しんできてね」


姉は許してくれたが、なにか埋め合わせはした方が良いと感じた

お土産を買ってくる?

…別荘にお土産屋はないよな

流木を拾ってくる?

…流石に流木は喜ばないか


少し考えてから思いついた

これなら良いかな


「お祭り、一緒に行こ。お姉ちゃんと行きたい」

「うん、お姉ちゃんも一緒に行きたい。奈凪ちゃんが好きなりんご飴食べようね」

「チョコバナナも食べたい」

「なんでも好きなもの買ってあげるからね。いっぱい美味しいの食べよ」

「食いしん坊みたいに言わないでよ。メインは花火だから」

「ふふっそうだね」


涙が引いた姉を見送る。

最後に笑ってくれてほっとしたが、それと同時に不安な気持ちも押し寄せてきた。

もし私が『お姉さま』を見つけて付き合えたら姉は今みたいな埋め合わせで納得してくれるのだろうか?


生徒を退学にまでさせることが出来る権力を持った姉が同じ学校の『お姉さま』に手を出すのは容易だ


「勝手なことしないでよ」と言った時に髪留めを触った姉の姿が脳裏に蘇った。

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