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知らない女の子に私は今日も100円で抱かれている~100円で抱かれる部~  作者: グナ


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麗奈視点:ボランティア部壊滅事件

運動神経に秀でていた私は、入学当初から数多の運動部から勧誘を受けていて、実際に幾つかの部活に体験入部をしたがどうもしっくりこなかった。


身体を動かすのは好きだ

でも心が満たされない

中学の時はバスケ部に入っていたが、シュートを決める度にこんなものかと退屈を感じていた。


そもそもスポーツをやるならもっとそれが盛んな学校に入るべきだったのでは?

いっそのこと部活に入らないで勉学やバイトに打ち込もうか?


悩みながら廊下を歩いていると、後ろからいきなり肩を叩かれたので振り返る。


「うっわ!めちゃくちゃビジュ良いじゃん!」

「……何か用でも?」

「うん。ナンパ」


変な輩に絡まれたと思ったので無視して踵を返したが、回り込まれてニカっとした笑顔を向けられる。

青いリボンを付けているから三年生らしいけど威厳は感じない


「ヘイ!カノジョー!ウチでお茶してかない?」

「……急いでいるので」

「そんなこと言わないでさーちょっとだけ、ね?奢るからさ?」

「奢りなら付き合います」

「えっ!?誘っといて言うのもなんだけど、軽すぎじゃない?」

「タダならなんでも貰うのがウチの家訓なので」


その人に着いて行き、部室に入る。

入り口にはボランティア部と書かれていた。


中に入ると、紅茶を出されたので、それを有難く頂く。


「どう?めちゃくちゃ上玉っしょ?」

「マジで上玉です!」

「さっすが部長!」


どうやら私を連れて来たのはボランティア部の部長らしく、彼女は誇らしげに腰に手を当てている。


「ねーウチに入らない?そのルックスなら即エースだよ」

「……ボランティアとルックスに何の関係が?」

「んー?それは実際に見てもらった方が早いかも」


そう言って部長はカップにおかわりを注いだ

……なんなのか少し気になるけど雰囲気からして碌でもない理由だろう

もう一杯飲んだら帰ることにしよう

元々文化部には興味がない


そのもう一杯を飲む前に泣きじゃくっている生徒が入って来た。

この子も部員なのだろうか?


「おっ、ナイスタイミング」


部長が泣いている生徒に話しかけてからカーテンの奥に消える。

他の部員がモニターを見るように促してきたので、困惑しながらもその通りにした。


画面には部長が生徒を慰めている様子が続いたが、急に二人が抱き合ったので、紅茶を吹き出しそうになる。


こ、これはどうことかしら?

こんなこと学校は容認しているの?


困惑が頂点に達したが、視線は釘付けのままだ

タイマーが鳴り、抱擁を終えて出て来た生徒の表情に衝撃を受ける。


あんなに泣きじゃくっていた生徒が幸せそうな笑みを浮かべていた。

まだ目元は赤く腫れていたが、表情は憑き物が落ちたように軽い


「なぜ抱きしめただけであんなに嬉しそうにしていたのですか?」


生徒を見送ったばかりの部長に聞いてみる。


「ただ抱きしめただけじゃないよ」

「なにか言ったのですか?」


私の質問に部長は悪戯っぽくニカっと笑って答えた。


「魔法を使ったのさ」

「魔法?」

「うん。気持ちを籠めて抱きしめると魔法のように人を癒せるのさ」

「……私にも使えるようになりますか?」

「きっと使えるようになるよ」


部長に抱きしめられると確かに心が温かくなるのを感じた。

今まで何度もシュートを決めてきたが、こんな感情になったことは一度も無い


「あー部長ずるいです!」

「私もー」


他の部員も抱擁に加わる。

その後、入部届にキスをさせるボランティア部の伝統を喰らった後に私は正式に入部した。




半年後、廊下を小走りで走る。

クラスで軽い揉め事があり、その仲裁をしていたらこんな時間になってしまった。


部室の扉を開けたが、誰も居ない

しかし気配は確かに感じる。


「……んっ」


カーテンの奥から微かな声が聴こえてきたので、そこに近づき、カーテンを捲る。


「なっ!?」


そこにはあられもない姿でセックスを興じている二人の姿があった。


「なにをしているのです!禁忌ですよ!」


怒鳴ったが、二人は悪びれる様子を見せない


「何言ってんのー?禁忌じゃないよー」

「そうだよ!えっちが禁忌なんてどこにも書いてないじゃん」


一人の部員が禁忌を記した紙を私に突き出してきたが、そんなのは詭弁に過ぎない


「付き合うのは禁忌のハズです!」

「残念でしたー!付き合ってませーん!」

「は?」

「所謂セフレってやつだよ!えっちだけでキスしてないから禁忌じゃないよ!」

「そ、そんなの部長が許すワケがない!!」


更に詰め寄ろうとしたが、その前に後ろから肩を叩かれた。

振り向かなくても分かる。

この叩き方は最初に出会った時と同じだ


加勢が来たことに安堵しながら振り向いたが、部長は想像と違った表情をしていた。


「オッケーだよ。問題なし!」

「何を言って……」

「あの子達の言う通り、禁忌じゃないよ」


部長はいつものように私が好きなニカっとした笑顔を見せたが、この時は酷く卑猥な表情に見えた。


「部長ーどうでした?あのお嬢様」

「んー?まぁまぁだったかな」

「まぁまぁって酷っ!」


たまに居なくなると思っていたが、お嬢様に手を出していたのか……


「ねぇ……麗奈ちゃんも気持ちいいことしない?」


いつの間にか部長に後ろから抱きしめられていた。

こんなに嫌悪感を感じたのは今までにない


「……触るな。下衆が」


胸に触れようとしたきたので、腕を取って思いっきり絞めあげる。


「痛っ!?」

「ここから出て行けッ!」


出口を指差したが、部長は腕を抑えながら不快な笑みを浮かべた。


「あーこれ腕折れたわー身体で償って貰わないといけないなー」

「そんな強請が私に通用するとでも?こっちは生徒会長に貸しがあるのよ?」

「せ、生徒会長ってあの『夜凪夜奈』!?アイツに逆らうとこの学校で生きていけないって聞いたよ!部長、ここは引いた方が……」

「引くも何も今日で貴方達は全員クビよ」

「ちぇっ……まぁもう卒業だし別に良いかな」


ボランティア部全員を追い出した部室で一人佇む。

クビなのは私もそうだ

一人では到底活動出来ない


掃除をしてから去ろうとしたが、部室の扉が開いたので、そっちを睨みつけた。


「ご、ごめんなさい!今日って休みだったんですね?私……知らなくて」


部員が戻ってきたのかと思ったが、来場者の正体はお嬢様だったので慌てて笑顔を作る。


「いえ、私一人ですがそれでも良ければ」


ソファでお嬢様を抱きしめるとあの時のような温かい感情が蘇ってきた。


……ここを必要としているお嬢様がいる限り廃部にはしない

ソファの上はお嬢様を癒す場所であるべきで、穢すことは許されないし、穢れた部員はそこに相応しくない。

もうあんな過ちは二度と起こさない


お嬢様を抱きしめながら私は心に誓った。

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