殴りながら愛を語ってくるタイプ
転がり込むようにして自宅に入り、自室のベットに飛び込んだが、涙を拭う暇もなく姉が入って来る。
「勝手に入って来ないでよ!!」
「だって奈凪ちゃ……泣いてるの?」
近づいて来たので、おもいっきり枕を投げつけてやったが、それでも姉は怯まない
「……誰かにいじめられたの?」
「違うッ!ちょっと落ち込んだだけ!」
「ちょっとどころには見えないよ」
「いいから出てってよ!!」
窓が振動するくらい叫んだのに、姉は出て行く様子がない
「……あのね。前みたいに勝手になにかしたりしないから、何があったか話して欲しいな。お姉ちゃんは何があっても奈凪ちゃんの味方だから」
姉の優しい声色が返って私の癇に障った。
無表情でベットから降りて彼女のアメジスト色の瞳を無遠慮に覗く
「味方?それは妹だから?それとも女だから?」
「ど、どういう意味かな?」
「なんで口籠ってんの?どーせ私のことまだスケベな目で見てんだろ。寄り添うフリして入り込もうとしてるのバレバレだからね?」
「そんな目で見てないよ。それはお風呂で証明したよね?」
「マッサージした時、私のぱんつ見たでしょ」
「あ、あれはそうしないと出来なかっただけで、そういう意図はないの」
姉は髪留めを触らなかったが、私は彼女が自分すら偽っているように感じた。
「へーそうなんだ。そういう意図はなかったんだぁ?だったら私がセックス誘ったら断るの?」
「えっ……?」
挑発するように顔を近づけると、姉の瞳の色が黒く濁る。
「……今だったら良いよ?忘れさせてよ。上手くいけば手籠めに出来るかもね」
「……奈凪ちゃん」
姉は少し躊躇した後に恐る恐るといった感じで手を伸ばして私の胸を微かに触った。
いや、なんでよ……
一揉みされたところで手を叩き落とす。
やっぱそうじゃん
ちょっとカマかけたらこれだよ
「こういう時ってばちーんってビンタして戒めるもんじゃないの?」
「ご、ごめん」
「ホントにしようとするとかあり得ない」
「奈凪ちゃん!喰いしばって!」
「今からやろうとすんな!」
ビンタされないように姿勢を下げながら姉を全力で押して部屋から追い出したが、バンバン扉を叩かれる。
「ちゃんと叩くから!お姉ちゃん本気で叩くから!だからドアを開けて!いっぱい叩いてあげるから!!ね?」
こっわ
サイコパス過ぎるんですけど
鍵とかないから姉に押し負けそうになったが、喧騒を聞きつけた両親に連れて行かれたので助かった。
転がっていた枕をベットに戻してため息を吐く。
今日はお姉さまにフラれただけじゃなく、姉との関係性も元に戻ってしまった散々な一日だったな




