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長期休みの前は無性にソワソワする件③

 私、新生活が始まったので落ち着くまで更新ペースが落ちるかもしれません。

「やっと出来た!」


 1時間半程の時間をかけ、にいへのクリスマスプレゼントを作り上げた。


「…ちょっと味見して良いよね?切れ端だけ」


 形を整えた事で出来た切れ端の生地を恐る恐る口にする。


「良かった。ちゃんと美味しい。にいの好みにもバッチリ」


 緊張と不安で固まった肩の力を少し抜いた。


 料理の後片付けをして時計を見る。時計は17:30を示している。今日、両親の帰宅時刻の19:00まではそれなりに時間がある。


 にいと遊ぼう。




「にい〜、今何してる?」


 部屋のドアをノックしながら中にいるにいに声をかける。


「………」


 返答は無い。


「入って良い?」


 再度ノックをしてみる。


「………」


 耳に入るのは家の前を通る車の音のみ。


 これは寝てる。もしベッドで寝ていたら仕方が無いから1人で遊ぶ。もし机に突っ伏して寝ていたら起こそう。


「入るよ」


 ノックをしても暫く返事がない時は部屋に入っても良い許可を得ている為、慎重にドアを開けて部屋に入った。


 机の上にノートと問題集の上から突っ伏しているにい。完全にうつ伏せの姿勢なことで表情は窺えないが規則正しく身体が僅かに上下している。


 ベッドじゃない。遊べる!


 心の中でガッツポーズを取り、にいに寄る。


「起きて、にい」


 耳元で囁くと同時に肩を優しく揺らす。


「………」


 規則正しい動きしかしない。


「にい〜、起ーきーてー、夜寝れなくなっちゃうよ」


 両肩に手を置き、身体を大きく揺らす。


「ん〜」


 にいは目を少し擦った後、座ったまま大きく身体を伸ばした。


「おはよう、にい」


「何しに来た?」


「ゲームやろ!ゲーム!」


「明日も一日中遊ぶ予定じゃん」


 気だるげな物言いではあるが、既にゲーム机へ歩き出している。


「で、何やる?」


「バスターチームズ!」


「足引っ張らないでね」






「ナイス」


「…」


「…」


「…」


 ほんの少しの気の緩みでゲームオーバーの緊張感、お互いの口数は普段よりも大幅に減っている。しかし、言葉にしなくても自然と連携をこなす。


「「ナイス!」」


 ミッションをクリアし、ハイタッチを交わした。


「疲れた!眠たい」


 にいが背中からゴロンと寝転がる。


「今日もいっぱい寝てるでしょ」


 とは言え、1時間ちょっとも平均台の上を渡るような集中力を保った事で確かに疲労感がのしかかっている。


「にい、これで辞めて夕飯の手伝いしよ」


「良いね、それ」


 携帯ゲーム機から報酬発表を知らせる音が聞こえた。

 2人はそれぞれが持つゲーム機の画面に目をやる。


「!!!」


「大当たり!良泰にいちゃん、譲って!」


「やだ」


 妹モード全開でねだるも軽くあしらわれてしまう。

 お互い大当たりの報酬を譲らずに制限時間がやってくる。こうなれば完全運ゲーで決められる。


 両者意味があるか分からないが、学校で流行っていた頃に広まったおまじないである『ゲーム機のホームボタン連打』を始める。


「やった〜!!!」


 私はゲーム機を持っていない手を高々と上げた。

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