22/43
ペヌペッチョ 3
リックは震えていた。
あまりの実力差に。
彼女は叫んだ。
「あたしに、剣を教えてくれ!」
頭を下げ、じっとペヌペッチョの返事を待った。
果てしなく長く感じられた一瞬の間の後、
「明日また来い」
とペヌペッチョは言い残し、鼻くそをほじくりながら訓練場から去っていった。
翌日リックが訓練場へ行くと、早朝のためかまだ誰もいなかった。
やむなく一人で剣の稽古をしていると、随分経ってからペヌペッチョが姿を見せた。
「早いな、一所懸命なこった」
「あたし、早く強くなりてぇんだ」
リックは満面の笑みでそう答えた。
「ま、とりあえずお前さんは、装備を整えたらどうかと思ってな。
男どもと違って、身軽な装備品を揃えてきてやった」
そう言ってペヌペッチョは、担いできた大きな布袋を下ろした。
最初に出したのは、白に藍色で絵柄、それも東方風の絵柄がある布切れだった。
「これを頭にかぶれ」
「えっ、布切れ?」
「そうだ。
だがしっかりエンチャントしてある。
その辺の鉄兜よりよっぽど優れた兜だ」




