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ペヌペッチョ 2
「おじさん、あたし訓練したくて来たんだけど、良かったら相手してくれないかな?」
リックがそう声を掛けると、ドワーフは片目を開け、じろりとリックを睨んだあと、鼻くそをほじくりながらあくびをして、のっそりと起き上がった。
傍らに置いていた戦斧を担ぎ、
「いいぜ」
と言って、グラウンドの真ん中へ行った。
リックは大喜びで後に付いていった。
「おじさん、名前は?」
「あぁ?
ペヌペッチョだ」
そうして半開きの目で鼻くそをほじくっている。
二人はグラウンドの中央で対峙した。
ペヌペッチョは戦斧を担ぎ、
「どうぞ」
と手招きした。
リックは駆け出しだが、牛人らしく腕力があり、動きも素早く身軽で、戦士として天性の素質がある。
それなりに自信があったので、一気に切り込んだ。
が、剣が空を切った。
違う。
今確かに握っていた剣がない。
驚いたことに、ペヌペッチョの左手に、リックの剣があった!
リックは言葉を失った。
「えっ?!」
「無刀取りってんだ」
かつて柳生石舟斎が将軍の前で披露したとされる、柳生新陰流の奥義だ。




