デラコニスの迷宮 8
「え~、でもカッコイいよ~」
女子二人はかつてなく真剣な議論を行った。
その時彼らは、何かの気配を感じた。
どうやらロカ・ビリアン像の後ろに、何者かがいるらしかった。
リックはドラゴンスレイヤーを静かに構え、その気配の動きを慎重に追った。
向こうは三人を先程から見ていたようだが、こちらは気づかなかった。
彼ら三人が気づかないというのは、相当な手練れと思われた。
「出てきやがれ!」
リックが鋭く呼ばわる。
気配は、その姿を見せた。
ずんぐりした筋肉質な体で、背は低い。
髭を豊かに生やしている。
ドワーフだった。
ベルボトムのズボンを太短い脚に履き宝石を散りばめたジャケットをまとい、髪はリーゼントだった。
「てめぇ、ペヌペッチョ!」
リックは憤り、叫んだ。
このドワーフ、ペヌペッチョは、細い無気力そうな半開きの目で、太い小指で鼻くそをほじくりながらあくびをした。
「なんだ、お前か」
小馬鹿にしたような言い方だ。
リックは無言で切りかかる。
いつもよりも激しく鋭い。
本気の剣だ。
一気に距離が詰まり、ペヌペッチョの脳天を割るかと思えたが、しかしペヌペッチョは、背中の戦斧を引き寄せ、その一撃を防いだ。
二十を越える応酬があるが、しかし互いに譲らない。
「リック、待って!」
「リック殿、落ち着かれよ!」
「うるせぇ!
こいつは、こいつは!
こいつだけは許せねぇんだ!」




